幸せになったかぐや姫 (ページ44)

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最重要任務（ｷﾘｯ← ページ44

姫が私を床にめり込ませていた足をどける。ふう、やっとどけてもらえた。一体何話ぶん踏まれてたんだろう？あんまり知りたくないけど。

だって、私には姫の説得という最重要任務が課せられたのだから。

出来るだけキリッとした顔で足が震えてるのを誤魔化す。

・・・・だって姫超怖いんだもん！！

「ひ、姫本気かい？姫の言う”粉砕”って暴力的な意味だよね」

アルキメデスの恐怖の大魔王って姫の事じゃないだろうか。

今咄嗟に思った。

「何よ、失礼ね。別に月を粉砕する訳じゃないわよ。そんな事したら戻った時に、夜真っ暗になっちゃうでしょ」

「考えるべきはそこじゃないよね」

なんで住民の方々の心配をしてないの？

「冗談よ」

「え、冗談に聞こえなかった」

絶対やる気だったでしょ。

はい、言った瞬間姫の肘鉄で吹っ飛ばされたからちょっと待っててね。

「・・・とどのつまり、姫は都じゃ無くて”王政”を粉砕するってことかい？」

「いえっす」

なんてこった・・・！

そう言いたくなったが全力で堪える。

「ぶっちゃけちゃえば私の父親以外の奴に王様やってもらえるなら何でも良いのよね。バイトでも主婦でもドMでも」

「最後のはあえてスルーするよ、おK？」

まだそのネタ引きずってたんだ。時効かと思ってた。

「あ、そうだ王様」

ひげが無くなり、存在感が一気に減少した王様の首根っこを掴んで立たせる姫。

父親の首根っこを掴む娘とか初めて見た。見たくなかったけど。

「確か感情操作を解くには、都人の目の前に王様座らせて何か言葉言わなきゃいけないじゃなかったかしら。そのへんどうなの？」

「ソノトオリデゴザイマス」

「ああ・・・・・」

姫の前には王様も無力か。

威厳も何もあったものではない王様の顔に、若干イラッとくるのは私だけでは無いだろう。

「じゃあその言葉教えて」

「・・・いやｄ「髪の毛もむしり取るわよ」・・・教えます」

この人何意地はろうとして失敗してんの。

「お・し・え・て・？」

姫の笑顔がどす黒い。

「・・・”右手が疼くッッ！”です」

「それ厨二の代名詞！！」

なんでそんな台詞にしちゃったの！？ノリ！？ノリなの！？