28話 ページ29
「おはようございます」
青「おはよう」
軽く挨拶を交わし、黒井は仕事を始めた。青木は相変わらずネットサーフィンをしている。
しばらくして、急に青木が立ち上がる。
「今日もまた特命係のとこ行くんですか？」
落ち着いた様子で黒井は言った。青木は少しめんどくさそうな表情を浮かべつつも頷いた。
青「そうだけど……付いてく？」
「ええ」
にっこり笑って立つ。
青「黒井、お前やっぱ冠城のこと好きじゃねえの？」
—————————
「こんにちは〜って、あれ？」
特命係には冠城はおらず、杉下だけが紅茶を飲んでイスでくつろいでいた。
杉「おや、こんにちは」
「冠城さんは？」
杉「さあ……」
遠い目をして杉下は言った。
杉「そういえば黒井さん、警視だったそうですね」
「あ、はい」
杉「それで、ここに飛ばされてきたんですね」
「ええ、そうですけど……何か？」
少し困惑した声で黒井は返事する。
杉「いえ、僕の知り合いに元庁内Sでとてもあなたに境遇が似た方がいましてね」
「神戸さんのことですか？」
杉「……さあ」
杉下は少し怪しい笑みを浮かべた。
「もしかして私が庁内Sだとでも？」
杉「いえいえ」
笑みを浮かべて首を振る。
2人の間に異様な空気が流れていた。
伊「黒井……え？」
急に特命係に来た伊丹は特命係での空気に驚いた。
「あれ、伊丹さん？」
伊「えーと……」
「昼ごはん、行きます？」
伊「え、ええ……」
そう言って黒井と伊丹は出て行った。
そして、入れ違いに冠城が帰って来た所だった。
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作者名：Rei | 作成日時：2023年10月22日 14時
