21話 ページ22
青「どうだ冠城？今の気持ちは」
青木は腹を抱えて笑いながら冠城に聞いた。冠城は悔しそうな顔をしている。
冠「黒井ちゃん……俺のランチの誘いには「予定があるので」って言って断ったのに……」
冠城は机に突っ伏すしていたがバッと顔を上げ、青木の方を向いた。
冠「もしかして、俺よりも青木が良いって言ったけどほんとは青木が好きなのか？」
青「んなわけ……」
そう言う青木の顔はにやけつつも頬を赤くしていた。
冠「お前……黒井のことが？」
青「いやいや」
そう言いつつも青木の頬はどんどん赤くなる。
冠「お前……」
冠城は悔しそうな顔でグラスをあおると黒井のことを思いながら青木を一瞥し、メニューを見た。
冠「いや」
冠城は短くそう言うとメニューを閉じ立ち上がった。
冠「俺はもう帰るわ。明日も仕事なので、では」
青「ちょっおい！」
冠城は半ば強引に伝票を押し付けるとさっさと行ってしまった。
—————————
青「おはよう」
青木はいつものように頭を掻きながら黒井と挨拶を交わした。
「おはようございます」
黒井は画面を見ながら返事をした。ここに来てから2日ほどしか経っていないが他から見れば元からここに居たかのような溶け込み具合だ。
青木が黒井をじっと見ているにも関わらず黒井は構わず仕事を進めている。
そんな2人の様子を見ていた者がいた。捜一の2人だ。
そして特に伊丹はかじりつくように2人を見ていた。
芹「せ……先輩？その……黒井ちゃんのこと好きなのは分かりますけど、他から見ると怪しすぎますよ」
芹沢が心配するのも構わず伊丹はじっと見ている。
芹「先輩？」
伊「んだよ、うるせえな」
伊丹は眉間に皺を寄せた顔で振り返った。
伊「あと俺が黒井のことが好きな訳ねえだろ何言ってんだ」
芹「だって先輩、黒井ちゃんが来てから生き生きしてるんスもん。黒井ちゃんのこと好きなのかな〜って」
バシッ
芹「いったぁ……」
伊「いいか、黙ってろよ」
芹「分かりましたよ……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Rei | 作成日時：2023年10月22日 14時
