2.彷徨 ページ4
「なっ・・何事だッ!?」
城の外にいた兵たちが、騒ぎ声を聞いて駆けつけてくる。
グ「どうもこうも・・ね」
光源が絶たれてしまった暗い城内で、二人分の緑の目が光っている。
グ「悪いけど、ちょっと邪魔だなぁ」
「王女様!?・・何を・・・ッ」
グシュエールは兵の首に手をかけ、一握り。
兵は少し呻いたかと思うと、その場に倒れた。
サ「何があったのです、リドエール!グシュエール!」
リ「んん?つまんねぇなぁ、母さん・・」
グ「わわっ、お母様?」
暗闇の中で、緑がもう二つ増えた。
サ「これは・・・聞くまでもなく、貴方達ね・・?」
グ「うんっ、もちろんだよ!」
サ「・・・・そう、なら・・・・・ッ!」
リ「いいかげん黙れよ・・お前も邪魔だ」
グ「・・・死んでないよ、お母様」
リ「いいんだよ、気絶させといたわけがある」
グ「ふ〜ん・・」
母のサリーナが来てからは、ようやく城も静けさを取り戻した。
私たちには都合のいいことだが。
静まりかえったうす暗い廊下には、窓から漏れた月光が床を照らしている。
リ「・・グシュ―・・・お前と俺は、ここで一旦お別れだ」
グ「そっかぁ・・寂しくなるね」
リ「城は半分ずつだ。どちらかが相手のテリトリーに入れば、どんな追い出し方を使ってもいい・・殺すのはお互いなしだ」
グ「じゃ、そんなルールでいいよね!」
リ「ああ・・・じゃあまたな」
グ「うん、またねー♪」
ーー兄とここで別れ、それから2年の月日が流れた。
ケ「・・あ、王女様!おはようございますっ!」
グ「ふふ、おはよー♪」
掃除しながらも健気に挨拶してくれるケイトの横を通り、書斎へと入る。
いつもの長髪の後ろ姿を見て、彼の肩に手を添える。
グ「おーはよっ、ダンテ!」
ダ「!・・グシュエール様・・・おはようございます」
グ「むむっ、また徹夜ぁ〜?」
ダ「はい・・・」
グ「ちょっとちょっとー?私のためにしてくれるのは嬉しいけど、それでボロボロになっちゃうのは許さないよー?」
ダ「ですが」
グ「グシュエール様からのめ・い・れ・い!!」
ダ「・・はい、分かりました」
グ「素直でよろしい!」
私が笑うと、彼も、疲れている風に微笑んだ。
ケ「わぁ〜・・・・王女様もダンテ様もいい関係だなぁ〜・・♪」
ーーグシュエール軍は、今日も平和です。
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作者名:アルト。 | 作成日時:2015年9月28日 16時