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1.咆哮 ページ1

とある王国には、ふたりの兄妹がいた。

兄のほうはリドエール、妹のほうはグシュエール。

ふたりとも幼少期からの悪戯好きで、歳を重ねるごとに度を超えていった。

いつしか『暴君』と呼ばれるようになり、恐れられながらも微笑ましく思われていた。

しかしそのふたりの力は、父である国王の亡き後・・爆発的に増した。

ーーー

グ「お父様、いなくなっちゃったね・・」

リ「そうだな」

グ「ねっ、お兄ちゃん」

リ「んん?」

グ「これからはお兄ちゃんが次期国王、ってことなんだよね〜?」

リ「らしいなぁ」

グ「それ・・・私にくれない?」

リ「・・はぁ?」

グ「ちょっとね〜・・・ふふっ、面白いことがしたいんだ」

リ「なるほどな・・・・よし、グシュ―」

グ「?」

リ「なら、お前とは『兄妹』の縁を一時的に切る・・それなら『好き放題』だろ?」

グ「うん!ありがと、お兄ちゃん♪」

リ「お前の血は俺の血だ・・・やるなら派手に、なぁ?」

グ「本気で来てよね、お兄ちゃん?うふふ♪」

ーーー

王家の式典では、次期国王の着任式が行われていた。

「それでは王家215代長男、リドエール・ジェリーツ様が次期国王に・・」

リ「・・・・・・・くくっ」

グ「・・・・・・・うふふ♪」

「・・・ちょ、ちょっと、リドエール様にグシュエール様も・・こういう所では静かに・・・・・ッう゛・・!?」

グ「ん〜、ごめんね、お楽しみだから静かにして?」

グシュエールは、そばにあるテーブルからフォークをとり、抜群の反射神経で家来の喉に刺した。

リ「おいグシュー・・・・そこまでしてやるなよ〜・・かわいそうだろ?」

グ「あれ?お兄ちゃん、『かわいそう』っていう言葉なんて使うことあるんだね♪」

いつも通りの暴君ぶりとはいえど、手に返り血がついたまま笑っているグシュエールは、かなり違和感があった。

民衆は、密かにそう感じていた。

リ「うっせ・・ていうかグシュ―、俺はもうお前の兄貴じゃねぇぞ」

グ「いいのいいの、私の癖だから気にしないで♪」

クスクスと笑うふたりを見て、民衆のひそひそ話は大きくなっていく。

「ねぇ、リドエール様たち、今日はちょっとおかしくない?」
「まさか偽物・・?」
「いや、王家だぞ?ありえねぇよ・・」

リ「さァて・・グシュ―」

グ「あ、そろそろ?」

リ「下々もお待ちかねらしいしなァ・・?」

グ「うんうん、私もだよ♪」

リ「・・・くくっ、じゃあ今から・・」

「「ショー・タイムだ」」

・・設定1(リドエールside)・・→


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設定タグ:オリジナル , 兄妹設定 , 戦い(たま〜に恋愛?)   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:アルト。 | 作成日時:2015年9月28日 16時

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