妹と幼馴染とトラウマ【オリジナル】

所々残念 ページ46

「どういう意味ですか？」

野上が問う。

神崎が笑う。


対象的な二人の表情。

俺は口を挟むこともできず、話が流れるようすを眺めることが戻ってきた。




「言った通りだよ。ゲーム感覚でトラウマを乗り越えるの。もちろん二人がね」


俺と、野上。

交互に指をさす神崎。



「だから意味がわからな「どっかの誰かさんが意地を張り続けるから、だよ？」……ッ、」


言い返そうと敵対心を持って話そうとした野上だが、ばっさり切り捨てられたな。

怯む姿が小動物みたいだ。……なんて考えたり。我ながら気持ち悪い。





「……あ、そうそう。勿論君にも協力してもらうよ？」

すっかり忘れていた駿に声をかけた神崎。

そっちの方へ目をやると、油断していたのか、「えっ、」と声を出し体勢を崩した駿。


「おっと、とと」

どれほど驚いたのか、転けそうになり体を捻った。その弾みで床に手をつき、何とか体勢を保つ。


……忙しいやつだな。




「一緒に二人を解決に導こうじゃないか」


まるでファンタジーの世界にいるように話す神崎。
正直違和感なく似合っているので何も言えない。



「え、あっ、おお！わかった！」

噛み過ぎだった。

戸惑いつつ出したガッツポーズの拳は、そのせいでカッコ悪く感じる。


所々残念だ。

でも、つい頬が上がってしまうのも、また否定はできなかった。

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