ページspecial(番外編) ページ32
『さっっっっむ……!!!』
〈ほんとだな。〉
気づけば季節は真冬。
今日は12月31日。1年が終わる日。
いろいろあったけどとても早かったなぁとしみじみ思う。
船の外の手すりに肘を付き、ノアと雪が降っている空をぼーっと見る。
『ノアはいいよね。もふもふだし。』
〈…これでも寒い。〉
『嘘だぁ!絶対あったかいよ!』
〈いや寒い。〉
ノアは寒いと言っているが絶対あったかいと思う。
だってこんなにもふもふだもん。
『ノアぁ……』
〈……重い。〉
『あったかぃ……』
〈お前な…〉
ノアにぎゅっと抱きつき、もふもふの毛に顔を埋める。まだまだ寒いけどノアがいればこんな寒い冬も難なく越せそう。
そう思ってノアに抱きついていると、後ろに何かもう1個のもふもふしたものがいた。
〈やまだ。〉
『あ、やまだぬちゃん…!』
〈きゅー…〉
『ふふっ、どうしたの?私とノアの間、おいで。ノアあったかいんだよ〜』
〈きゅー!〉
ノアは呆れたような顔でそっぽ向いてしまった。
でもね、知ってる。ほんとはこうやってくっついてもらうの、嬉しいんだよね。あなたのご主人様なんだからわかるに決まってる。
『あれ、やまだぬちゃん、うらたのとこにいなくていいの?』
〈きゅー!〉
〈別にいい、ってさ〉
『なんだそれw』
なんともほのぼのとした会話をしているといきなり後ろから抱きしめられた。
『ぅわっ…!?』
「なんだ、やまだここにいたのか。てかお前さ、何1人で喋ってんの?怖いんだけど。」
そう言ってきたのはうらただった。
余程寒いのだろう。珍しくコートを着ていた。
『ノアとやまだぬちゃんと話してた。』
「魔法使ってんの?」
『うん』
「そっか」
『てか、なんで抱きしめてんの。離せ。』
「抱きしめられんの嫌だったら部屋はいれ。風邪ひくぞ。」
それは遠回しに心配してくれてるのかな。
そう思うとすごく嬉しかった。
別に抱きしめられるのが嫌じゃない。むしろ心地いい。あったかくていい匂いがする。
でも、恥ずかしいんだよ。たぶんうらたが思ってるより私、あんたに恋してるんだから。
『べつに、いやじゃないし。』
「え」
『……だから、このままでいい。』
自分で言ったことが恥ずかしくて元々していたマフラーで顔を隠した。
そのとき、うらたも顔を隠して真っ赤にしていたことなんか私は知らない。
〈ほんとにお前らは……かわいい奴だな。〉
もちろんノアの独り言も知らない。
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ちょこ - 了解です!焦らなくていいのでがんばってください!更新して公開するの楽しみに待ってます! (2021年10月13日 22時) (レス) @page40 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ういか(プロフ) - ヤバい最高です。これからも更新がんばってください。 (2021年5月7日 16時) (レス) id: ca947d62d4 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - ふゆな@志麻リスさん» ありがとうございます( ; ; )感動を与えることができてわたしも嬉しいです、、!!頑張ります!ありがとうございます! (2019年12月21日 2時) (レス) id: 489fc326e0 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆな@志麻リス - なぜか泣いてしまいました!更新頑張ってください! (2019年12月20日 23時) (レス) id: 8bd4e2541a (このIDを非表示/違反報告)
グレン - 更新ありがとうございます!これからも頑張って下さい!応援してます!!!!!! (2018年10月20日 15時) (レス) id: 6ba2a539d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろん | 作成日時:2018年8月6日 13時