一線 (ページ7)

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キスページ7

「外に出よう」とアサヒに言われ、言われるがまま出てきた私は店の前でアサヒと２年ぶりにちゃんと話す機会を得た。
ただアサヒはものすごく酔っている。全体的にほわほわしているし距離が近い。

アサヒ「今日会えて良かった」

A「そんなこと言っていいの、彼女いるのに笑」

アサヒ「んん・・・」

A「なんでどもるの、よくストーリーでラブラブそうな投稿あげてるじゃん笑」

アサヒ「あれ、彼女に上げてって言われるから上げてるんだよね」

A「え、そうだったの？」

意外な展開。

アサヒ「なんか心配みたいで」

まあ分かる、こんなイケメン、彼女がいることを主張させておかないと女からの連絡止まらなそうだもん。

A「ふーん、でも好きなんでしょ？」

アサヒ「まあね、」

いたっ。自分から聞いといて勝手にちょっと落ち込んでる私、馬鹿なの？

勝手にがっくりしている私の手を、突然アサヒが握った。

A「？？？」

アサヒ「実はさ、別れたことちょっと後悔したんだよね」

おっとまたまたこれは意外な展開。

アサヒ「前にAといった場所に今の彼女と行った時、Aのこと思い出しちゃって」

お酒が入っているからかアサヒの口はゆるゆるだった。
もう夜の８時。一次会を終えて出来上がった人たちが騒ぎ始めている。そんな喧騒と少し肌寒い風、そして目の前のアサヒを見て私も口が緩くなったみたいだ。

A「私だって、、忘れられなかったし、」

アサヒ「本当に彼氏できてないの？」

A「うん」

アサヒ「好きな人は？」

A「できなかった」

アサヒ「でも遊んでるんじゃないの？」

A「は、遊んでないわ笑」

アサヒ「そうは言ってもやることやったしょ？」

A「、、、まあね、何の話？これ」

アサヒ「Aには遊びまくってて欲しい」

A「なんで」

アサヒ「そうすれば最低なやつだ、って思えるから」

アサヒはなんでこんなことを言っているんだろう。

アサヒ「好きな人作らないの？」

A「作らないっていうか作れないの、誰かさんのせいでね」

アサヒ「ふーん笑」

なんでアサヒのせいで好きな人ができないと言ったらアサヒはニヤニヤしているんだろう。

A「ねえアサヒ、、彼女と私、どっちが好き？」

私は気がおかしくなったようだ。結果は分かりきっているのにこんなことを聞いたのを後悔した瞬間、私の唇はアサヒによって塞がれた。