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アサヒと一線を超えた夜から数日が経ち、私はアパートに戻ってきた。
特にその後大きな動きはなく、たまにDMを送りあっただけだった。

私は私で、この不確定な関係がいつか幸せな関係になれるのではないか、とは期待しないことにした。

アサヒに振られてから期待はしないように、というよりできなくなっていた。
期待して信頼して、そこからの絶望はもう経験したくない。何ヶ月、何年経っても忘れられない苦しみとはもう出会いたくない。



だから敢えてたくさん連絡することはしたくなかったし、私がアサヒにぞっこんだということをアサヒに感じられたくもなかった。


そしてその間にたくさん考えた。友達からの意見、友達の友達、つまり第三者からの意見も聞いた。それはどれも同じだった。


「やめておけ」


いくら好きだからって、結局は浮気してしまうようなやつだし、そんな人と付き合っても今度は自分が不安になるだけだって。そんな不安を抱きながら幸せに付き合うことは出来ないでしょ?って。

その通りだって自分でも分かるんだけど、分かるんだけどどこかでやっぱり少し期待してしまっていた。
期待しないほうが良いって知ってるのに。



そうやって結局思いを募らせたまま時間は過ぎ、その日が来た。



1月16日


その日日本の近くで大きい地震があり、日本にも広く津波警報が出た。
私は山梨にいるから津波の被害を受けることは無いけど、心配なのは沿岸に住んでいる家族だった。


時間ももう遅いので何度電話してもつながらない。テレビを見ていると実際に津波が到達した地域もあると、アナウンサーが言っていた。
結局大きな被害はなく、家族がいるところに津波が到達することもなかった。


家族のことを心配していた私の頭に、ふいにアサヒが思い浮かんだ。
アサヒも沿岸に住んでいる。話す口実として、私はアサヒにメッセージを送った。

だけど、これが終わりの始まりだった。最初から始まってもいなかったのかもしれないけど。

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設定タグ:treasure , アサヒ , ハルト   
作品ジャンル:恋愛
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cooky(プロフ) - とてもおもしろいです!続き楽しみにしております! (2022年4月15日 23時) (レス) @page23 id: 55ebdcbd41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひくん | 作成日時:2022年3月7日 0時

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