歪情 (ページ46)

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3 - Juri side ページ46

jr「なんか、大きくなったね。」

「目立っちゃうから」と言って、ジェシーは俺を近くの人気の無い緑道に連れてきた。

js「ハハッ、そんなおじさんみたいなこと言わないでよ。」

jr「だって、ついこないだまでこーんくらい小さかったのに。」

俺よりもだいぶ小さかったはずのジェシーは、すらっと伸び、今では俺が見上げる程になっていた。
昔よりも随分大人びた様子だった。

js「まぁ確かに、ここ最近でだいぶ伸びたかも。」

そう言って頭の上に手を置いてふふっと笑う彼。
成長しているということは、きちんと食事をとって睡眠も取れているということだろう。

良かった……。

jr「ねぇ、俺この間、ジェシーの誕生日に電話したんだよ？どうして出られなかったの……？」

js「……あぁ、ごめん。あの日はすごい忙しかったんだ。」

jr「そうだったんだ……ごめんね、そんな時にかけちゃって。」

js「いいって。……で、俺に何を話すつもりだったの？」

jr「実は……。」

ずっと伝えたかったきょもの件について説明をすると、彼の表情は段々と曇っていった。

js「……それはまずいな。」

jr「……ごめん、伝えるの、遅くなっちゃって。」

js「まずいよ、その家族に俺達の関係がバレちゃったらどうするのさ……。」

jr「それは……今の所バレて無いと思うよ。」

js「今の所？いずれバレたらどうするの……。」

はぁ、と溜息をつく彼に、胸がズキンっと痛む。

ごめんって……。

でも、そんなまずいのかな。
ジェシーとの関係はもちろん話していないし、隠せてると思うんだけど。

jr「ねぇ、一緒に住んでても別にそんな簡単にバレたりしないもんじゃないかな？」

js「何言ってんのさ、その京本って人、話聞いてる限りすごい怪しいよ。」

jr「でも、きょもは優しいし、」

js「てかなんで勝手に住むこと決めちゃうのかな……。」

jr「……ごめん。」

js「気をつけてよ……いくら友人でも今の状況で一緒に暮らしちゃまずいでしょ……。」

再びため息をつく彼に、俺の心に引っ掛かりが生まれてくる。

そんなに駄目？
俺、そんなに良くないことした？

確かに伝えるのは遅かったし、勝手に判断はしちゃったけど。
でも、そんなに言う必要あるのかな。

なんか、なぁ……。