歪情 (ページ39)

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2 - Juri side ページ39

jr「きょもの……ママ？」

俺がそう尋ねると、彼女は嬉しそうにうんうんと頷いた。

「久しぶりねぇ、まさか樹ちゃんが来ていたなんて。」

jr「ちょっと、食べたくなって……。」

「ふふっ、エビフライ、変わってないわね。……懐かしいわ。」

きょも＿＿＿京本大我は、昔よく一緒に遊んだりしていた友人。
俺が家族と初めてこの洋食屋を訪れた時に出会った。
それ以来何度も訪れているうちに家族ぐるみの仲になって、みんなで出かけたりもした。

きょもと俺は特別仲が良くて、周りからは兄弟みたいだって言われてたっけ。
俺より一つ歳上の彼は、よく俺の面倒を見てくれたんだ。

「おっ、久々に見る顔だね。」

jr「あっ、きょものパパ。」

「やぁ。」

奥からきょものパパが出てくる。
相変わらずの穏やかな笑みにホッとする。

「大我、ちょっと来なさい。」

きょものパパが少し大きな声で呼ぶと、階段を降りてくる足音が聞こえてきた。

kym「……久しぶり。」

jr「きょも……。」

あの頃と変わらない、中性的で綺麗な顔立ち。
小さく横に振れる彼の手は、最後に見た時よりもずっとずっと大きくなっていた。

「ここで話すのもあれだし、中に上がっていって？」

jr「あ、いえ、悪いので……。」

「何言ってるの、樹ちゃんは家族みたいなものなんだから。」

「さ、早く」と言って俺を奥へと迎え入れてくれるきょものママ。
中に入ると、あの頃と変わらないソファーやテーブル等の家具に胸が熱くなった。

よくここできょもとテレビゲームしたっけ。
……懐かしいや。

「今、お茶を出すから待っててね。」

きょものママに向かって頭を下げると、空いている隣の椅子にきょもが座ってきた。

kym「樹、大きくなったね。」

jr「そうかなぁ？」

kym「なんか前より細くなった？ちゃんとご飯食べてる？」

jr「うーん、まぁ……。」

kym「駄目だよ、育ち盛りなんだからいっぱい食べないと。」

彼はそう言って俺の頭をポンポンと優しく撫でるように触れた。

懐かしいな。
昔からよくこうやって頭撫でられてたっけ……。

「はい、お茶どうぞ。」

jr「ありがとうございます。」

「樹ちゃん、敬語なんて使わなくて良いのよ？」

jr「いや、でも……。」

「……早速だけど、樹ちゃんにお話があるの。」

お話？
……何だろ。