歪情 (ページ24)

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真夜中の約束 - Juri side ページ24

2008年8月31日＿＿＿

jr「いっけねぇ！」

やってしまった。

今日は彼との大事な約束の日。
俺が住んでいる団地の裏山で、23時に会おうって約束したんだ。

しばらくずっと会えなかった。
だから今日はやっと彼に会える大切な日。

なのに俺としたことが、眠気に負けてうっかり眠ってしまった。
事情があって遅い時間に約束したけれど、自分が眠気に弱いことを忘れていた。

時計を見ると、あと少しで約束の時間。
結構眠ってしまっていたみたいだ。

急がなきゃ。

テーブルの上に置いてある青い石と懐中電灯を手に取って、靴を履いて外に出る。
階段を降りて裏山の方へ全力で走った。

彼に贈る遅めの誕生日プレゼント。
落とさないようにしっかりと握りしめる。
今日はやっと彼に渡せるんだから。

彼のことだ。
きっと約束の時間より前に俺を待ってくれているはず。

懐中電灯をつけて、足元に気をつけながら山道を駆け足で走っていく。

転ばないように。
落としたら汚れちゃうからね。

丸太でできた階段を駆け上がると、約束の場所に辿り着いた。
懐中電灯で辺りを照らし、待っているであろう彼を探した。

jr「ジェシー？いるならライトつけ、」

懐中電灯が照らした先には、俺にとって最もいて欲しくない人間が立っていた。

jr「雅人さん……。」

一緒に暮らしている叔父の雅人さんだった。
俺はいつもこの人に酷い目に遭わされているんだ。

jr「なん、で……いるん、ですか？」

js「なんでって？……見ろよほら。」

雅人さんは左手に持っていた携帯のライトで足元を照らした。

jr「えっ……。」

眩しさに目を細めながら見ると、ジェシーが口や鼻から血を流して横たわっていた。

jr「ジェシー！？」

急いで駆け寄って彼を抱き寄せ揺するが、ぼんやりとしていて反応が無い。
鼻で呼吸をするのが難しいのか、ハアハアと苦しそうに荒い呼吸をしている。

jr「何してんだよッ！！」

泣くのをじっと堪えて雅人さんを睨みつけると、彼はにやにやと気味の悪い笑みを浮かべて答えた。

「何って、ガキはこんな時間にこんな所にいちゃいけねぇよって教えてやっただけだけど？」

へらへらと笑いながらポケットに手を突っ込む雅人さん。

酷い……。
俺だけじゃなくジェシーにまで手を出すなんて……。