歪情 (ページ2)

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2 - Hokuto side ページ2

「アイスコーヒー、どうぞ。」

hk「頂きます。」

テーブルに置かれたアイスコーヒーを有難く頂戴していると、彼は本棚からファイルをいくつか取ってきて正面に座った。

yg「挨拶が遅れちゃったけど髙地優吾です、よろしく。」

hk「よろしくお願い致します。」

飲んでいたコーヒーをテーブルに置いて頭を下げると、彼は「そんな気遣わないで良いよ」と笑った。

yg「まぁ俺一応課長だけど、27歳よ？君と一つしか変わんないし上下とか気にしないで。」

hk「えっ、27歳！？」

驚きのあまり思わず心の声が漏れてしまった。
髙地さんにハハッと笑われ、「すみません……」と謝った。

yg「真面目だねえ、それに素直で良い子。」

hk「そ、そうですかね……？」

髙地さんはうんうんと頷いて子供のような屈託のない笑顔を俺に向けた。
ちょっとまだ掴めないが、ほんわかしていて付き合いやすそうな人でとりあえず一安心。

hk「あ、そういえば一課の方々って……。」

yg「あぁ、彼等とは別だから。」

hk「えっ、別とは？」

yg「同じ一課だけど俺達はある特別な事件の担当だから、あっちは基本関係無いよ。」

「まぁ、今度挨拶くらいはしておけば良いんじゃない？」と言ってアイスコーヒーを飲み干す髙地さん。
全く聞いていない話を急に聞かされて驚きを隠せない。

えっ、一課に配属されたのに一課の人達と違うの？
ていうか特別な事件って？
俺何も聞かされてなかったんだけど。

yg「ありゃ、もしかして上から話いってない感じ？」

hk「えぇ、何も……。」

引き継ぎがちゃんと出来ていなかったのだろうか。
あるいは、俺が聞き逃した可能性もあるかもしれない。

うーん、それらしい話あったかなぁ……。

yg「まぁ良いや、事件のことは俺が説明するよ。」

hk「すみません……。」

yg「気にしないで、どうせ説明したって分からないような事件だからさ。」

hk「そんな複雑な事件なんですか？」

yg「まぁ……ね。」

髙地さんは何か意味ありげな笑みを浮かべると、ファイルから数枚の資料と写真を取り出し俺に向けるようにテーブルに並べた。