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「なんで叩くんだ」
 「うっさい」

 なんとなくイトナの頭を小突いていた。……でも、いいと言われて悪い気はしない。大して気を遣っているわけじゃないが。

 「……で? 話し相手になれっていうなら何か相談したことでもあるの?」

 話題を逸らそうとそんなことを言ってみたが、イトナはしれっとして言った。

 「いや、特にはない。なんとなくお前と話したかった」
 「……あ、そう」

 思わずがくっと肩を落とした。
 なんて突発的な奴……まぁ今さら驚きはしないけど。

 「暇だな休日って」
 「そうですね」

 イトナはぼけっと宙を眺めている。こいつは何をしに私を呼んだんだ。

 ……しかし……。

 私はふと昨日のことを思い出してしまった。
 カルマに告白されたこと。イトナに言うべきなのだろうか。そうすればイトナは……私を諦めるだろうか?
 イトナは、私のところから離れていく?

 「……イトナ」
 「なんだ?」

 イトナはあぐらを掻いて完全にリラックスしている。対して私は、なぜか恐怖を感じて思わず膝を抱えた。

 「昨日……私……カルマに告白された」

 途端、ガシッと腕を掴まれた。力が強く、抜け出せない。加えてイトナはいつの間にか距離を詰めていて、私を逃がさないつもりのようだった。

 「どういうことだ」
 「……そのまんまだけど」
 「じゃあお前等付き合ってるのか」
 「それは……まだだよ。まだ返事はしてないから」

 そう言うと、イトナはほっと息を吐いて力を緩めた。

 「……そうか。でもなんでだ? お前もあいつのこと好きなんだろ?」
 「うん……そのはずなんだけどね」

 私は目を伏せた。
 考えれば考えるほどわからなくなる。カルマが好きなのに、どうして迷うんだろう。

 「なんか……わかんなくって」

 恋がなんなのかわからない。どういう気持ちなのか……いや、ちょっと待って。

 私は顔を上げてイトナの目を見つめた。

 ……ここにいるじゃないか。その気持ちを知っている奴が。

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設定タグ:暗/殺/教/室 , 赤/羽/業 , 堀/部/イ/ト/ナ   
作品ジャンル:恋愛
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るーちゃん - とても良かったです!天才ですね! (2016年6月13日 20時) (レス) id: 05d2391dee (このIDを非表示/違反報告)
銀龍(プロフ) - 夏凪さん» ありがとうございます。いつもいつも一番に応援してくれたのは貴方でした。貴方様も頑張って下さい。 (2015年7月24日 18時) (レス) id: ba8182eb33 (このIDを非表示/違反報告)
夏凪(プロフ) - 完結おめでとうございます!もう、貴方の文に心を奪われました!責任とってください!←今までも、これからも私は貴方の大ファンです!これからも頑張ってください! (2015年7月23日 19時) (レス) id: 44b9b683a2 (このIDを非表示/違反報告)
銀龍(プロフ) - きの子さん» 初期から熱烈な応援ありがとうございました。貴方様の名前は忘れません。ご愛読ありがとうございました。 (2015年7月22日 19時) (レス) id: ba8182eb33 (このIDを非表示/違反報告)
銀龍(プロフ) - 氷翠さん» 応援ありがとうございました。最後まで読んでいただき光栄です。 (2015年7月22日 19時) (レス) id: ba8182eb33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:銀龍 | 作成日時:2015年6月4日 21時

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