第九話 ページ9
you side
「これにて終わりだ、教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ」
相澤さんはくるりと踵を返し、緑谷に保健室に行くようにだけ言って去っていってしまった。
テキトーすぎる。
いや、いつもの事だけど。
『じゃあ皆んな着替えに行け』
生徒達をグラウンドから追い出していくが、1人だけその場から動こうとしなかった。
『ほら、轟も早く戻れ』
「……」
無言で睨んでいた(目つき悪いだけかも)が、結局何も言わずにグラウンドから出て行った。
焦凍の姿が見えなくなってから、小さく溜息をついた。
めっちゃ怒ってるな。
いや、でも何で怒ってるんだろ。
『まぁ、いいか。職員室もどろ』
職員室に戻って自席で一年生のカリキュラムを確認する。
さすがに以前勤めていたとはいえ、ブランクがあるためまずは副担任を任されたが、普通に物理の授業も自分が担当になってしまった。
しかも副担任はA組とB組どちらともだ。
物理に関しては一応ちゃんと復習してきたけど、ちょっと不安だな。
明後日に早速授業があるためその準備をして帰路に着いた。
『って、何で俺の部屋に普通にいるのかな、焦凍くん…』
「鍵空いてた」
『うっそぉ』
「ちゃんとしろよ」
『すいません…』
教師が生徒に叱られた。
いや、ごもっともなんだけど。
隣がエンデヴァーの家って事で、普段から鍵をかけない事も割と多いせいで、癖になってしまっていた。
プロヒーローの家の隣でわざわざ泥棒するヤツいないだろ。
「なんで言わなかったんだよ」
『あ、やっぱその話？別にわざわざ言うことでもないかと』
「……」
『そんな拗ねんなよーかわいいヤツだな。ちょっとしたサプライズだって〜』
「…授業もやるのか」
『やるよ、物理の授業。あと俺、B組の副担任もしてる』
「そうか」
しばらく沈黙したのち、焦凍は少しだけ言いにくそうにまた口を開いた。
「…ヒーロー活動はしないのか」
『んー？まぁ、そうだな…それは校長に認めてもらってる』
「なんでヒーロー辞めたのか、聞いてもいいか？」
『あー…』
あの焦凍が遠慮気味に聞いてきた。
まぁ、このご時世ヒーローを辞めるというのは、それなりの理由がある者ばかりだろうし。
『知りたい？』
「…ああ」
『じゃ、焦凍が仮免取ったら教えてやるよ』
「わかった」
素直に頷いた焦凍は、帰る、と簡潔に言い残して部屋を出ていった。
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ありと(プロフ) - るるさん» るるさま、コメントありがとうございます！更新遅くて申し訳ないです…頑張ります！ありがとうございます！ (1月13日 9時) (
レス) id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
るる - すごくこの小説気に入りました！ 更新頑張ってください！ (1月11日 22時) (レス) id: b6f4e9157d (このIDを非表示/違反報告)
ありと(プロフ) - 白さん» 白さま、コメントありがとうございます！コメント頂けただけで感激です！ありがとうございます！！更新がんばります！ (2022年10月18日 1時) (レス) @page17 id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
白 - 応援してます！(自分語彙力なくて語りたいけど語れませんんんん)とにかく好きです！！ (2022年10月18日 0時) (レス) @page17 id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
ありと(プロフ) - Ribさん» Rib様、はじめまして！コメントありがとうございます！すごく嬉しいです！！先は長くなりますが、これからもよろしくお願いします！！更新頑張ります！ (2022年10月17日 16時) (レス) id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありと | 作成日時：2022年10月5日 22時
