第七話 ページ7
no side
高校の入学式。
それは入試に合格した一年生にとって、憧れの学校での生活の中で初めてのイベント。
のはずだった。
しかし1年A組が担任の相澤に命じられたのは、入学式への参加ではなく、体操服に着替えてグラウンドへの集合だった。
「個性把握…テストォ！？」
ヒーローになるならば入学式などの行事に出ている時間はないという相澤の言葉に絶句する生徒たち。
雄英は“自由”な校風が売り文句であり、それは“先生側”もまた然りだと。
そして今から行われるのは、中学では個性を禁止されていた体力テストを、個性を駆使して記録を出すというもの。
「死ねぇ！！」
試しに、と爆豪がソフトボールを爆風で飛ばした結果、相澤の持つメーターは705.2という数値を示した。
個性を使っての体力テストを「面白そう」と騒ぐ生徒たち。
しかし、それは相澤の癇に障った。
「ヒーローになる為の三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい？」
明らかにガラリと変わった相澤の雰囲気。そして、
「トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう」
「はあああ！？」
絶望的な一言だった。
生徒達は思い知る。
“自由”なのは先生側もだというその意味を。
「生徒の如何は先生の“自由”、ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」
あまりにも理不尽な処分を前に勿論生徒達は黙っていない。
だが、自然災害や大事故、身勝手な敵の行動など、ヒーローはそういった理不尽を覆すものだ、と。
「これから三年間、雄英は全力で君達に苦難を与え続ける。“Plus Ultra”さ、全力で乗り越えて来い」
その言葉に覚悟を決める生徒たち。
各々が全力で、できることを力の限り。
そうして各種目の測定が始まった。
「じゃあ次は反復横跳びだ。が、その前に副担任を紹介しておく」
「副担任？どこ？？」
相澤は紹介する、とは言うが近くにそれらしき人はおらず、生徒達は首を傾げた。
しかし、無言で自分達の後ろを指差す相澤の仕草に釣られて後ろを振り向けば、いつの間にかすぐ後ろに見知らぬ男が立っていた。
「おお！？いつの間に…？」
『や！初めまして、1年A組のみんな、副担任の雲井Aだ、よろしく』
手を上げた男は、黒と白が混じった髪とフレームの厚い眼鏡で目元が隠れていたが、口元だけで笑っているのがわかった。
「若そう！チャラそう！」
『チャラくはない』
はしゃぐ芦戸はさっそく手刀を入れられていた。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 386人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ありと(プロフ) - るるさん» るるさま、コメントありがとうございます！更新遅くて申し訳ないです…頑張ります！ありがとうございます！ (1月13日 9時) (
レス) id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
るる - すごくこの小説気に入りました！ 更新頑張ってください！ (1月11日 22時) (レス) id: b6f4e9157d (このIDを非表示/違反報告)
ありと(プロフ) - 白さん» 白さま、コメントありがとうございます！コメント頂けただけで感激です！ありがとうございます！！更新がんばります！ (2022年10月18日 1時) (レス) @page17 id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
白 - 応援してます！(自分語彙力なくて語りたいけど語れませんんんん)とにかく好きです！！ (2022年10月18日 0時) (レス) @page17 id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
ありと(プロフ) - Ribさん» Rib様、はじめまして！コメントありがとうございます！すごく嬉しいです！！先は長くなりますが、これからもよろしくお願いします！！更新頑張ります！ (2022年10月17日 16時) (レス) id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ありと | 作成日時：2022年10月5日 22時
