第六話 ページ6
you side
『焦凍は高校どこ行くんだ？』
「雄英受ける、Aと同じだ」
『ふぅん、そうなの？俺雄英で2年くらい教師してたよ、それも辞めちゃったけど』
「そうだったのか…残念だな」
『そお？』
焦凍は本当に残念そうに俯いた。
あ、またコイツ怪我してる。
頬が少し赤い。火傷、ではなさそうだけど。
「！つめた…おい、何すんだ」
『いや、痛そうだなって』
近くに置いていたビールの缶を焦凍の頬に当ててやれば、一瞬驚いた顔をして、すぐにはじかれた。
『ちょっと冷えてきたな』
「こんなところで寝てたら冷えるだろ」
『確かに。ちょっとあっためてくれ』
「…つめてぇ」
今度は冷えた自分の手を焦凍の頬にくっつけた。
さっきとは違ってはじかれない。
焦凍はそのまま大人しくしていた。
じわじわと焦凍の熱が冷えた俺の手を温めていく。
子供体温だからなのか、焦凍の頬はあったかいままだ。
俺と焦凍の頬の温度が同じになったところで、手を離した。
『帰らなくていいのか？』
「いや、もう帰る」
『ん、じゃあな』
もう辺りをは真っ暗で、子供がいつまでも外出していい時間でもない。
焦凍の頬から手を引いて、ヒラヒラ振って帰るよう促した。
「また来ていいか？」
『ん？別にいいけど、何もないぞ』
「Aがいるだろ」
『…ふは、お前俺のこと大好きだな』
「……」
俺の発言に照れるでもなく、嫌がるでもなく、微妙な顔をした焦凍は何も言わずに振り返ってそのまま帰ってしまった。
なぜ無視をするんだ…。
もうちょっと可愛い反応を返してほしかった。
それからというもの、焦凍はフラッと家にやってきて、勉強教えてだったり、のんびりしたり、割と自由に過ごしていた。
元教師からみても焦凍は賢い。
理解も早いし、覚えもいいから入試の筆記はまず問題ない。
実技も、あのエンデヴァーの息子だ、大丈夫だろう。
「雄英受かった」
『おめでと、凄いじゃん』
「別に、たいしたことねぇ」
やっぱり心配無用だったな。
推薦入試の合格を電話で報告してくれた。
しかし、すぐに親父が呼んでいるからと電話が終了した直後、今度は自分のスマホが鳴った。
「やぁAくん！久しぶりだね」
『あー……お久しぶりです、校長』
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 386人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ありと(プロフ) - るるさん» るるさま、コメントありがとうございます！更新遅くて申し訳ないです…頑張ります！ありがとうございます！ (1月13日 9時) (
レス) id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
るる - すごくこの小説気に入りました！ 更新頑張ってください！ (1月11日 22時) (レス) id: b6f4e9157d (このIDを非表示/違反報告)
ありと(プロフ) - 白さん» 白さま、コメントありがとうございます！コメント頂けただけで感激です！ありがとうございます！！更新がんばります！ (2022年10月18日 1時) (レス) @page17 id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
白 - 応援してます！(自分語彙力なくて語りたいけど語れませんんんん)とにかく好きです！！ (2022年10月18日 0時) (レス) @page17 id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
ありと(プロフ) - Ribさん» Rib様、はじめまして！コメントありがとうございます！すごく嬉しいです！！先は長くなりますが、これからもよろしくお願いします！！更新頑張ります！ (2022年10月17日 16時) (レス) id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ありと | 作成日時：2022年10月5日 22時
