第三十三話 ページ32
no side
雲井宅、縁側にて。
『〜〜♫』
Aは上機嫌で酒とつまみを嗜んでいた。
片手には缶ビール。
もう片手にはスマホを。
スマホには、本日行われた雄英体育祭の動画や記事が流れている。
『ん？なんか寒いな…おっ』
「またこんな所で酒飲んでるのか」
冷気を感じ取って首を傾げたと同時に、Aの横に軽い音を立てて轟が降り立った。
いつもならば不法侵入だと言うところ、ほどよく酔いも回り気分のよいAは笑顔で出迎える。
『雄英体育祭準優勝の轟くんじゃないですかぁ！』
「！」
Aが隣に座った轟の肩に腕を回し、容赦なく体重をかける。
突然のことでよろけるも、轟は倒れないように体に力を入れて、すぐ横にあるAの顔を様子見た。
にこにこと楽しそうに見える。
『なぁインタビューしていいか？今のお気持ちはってやつ！どうだった？』
Aは問いかけるくせに答えを聞くことをせず、マイクを持つように握った拳を轟の口元に持って行った。
それに対し、
「酒くせぇ」
という轟の一言に、Aは違いねぇなと大笑いした。
『でもよー焦凍が大好きなAおにーさんが祝ってやろうってのにクサイはヒドくねぇ？』
「祝うなんて一言も言ってないだろ」
『あれ？マジで？じゃ今言った！』
何がいい？うまい蕎麦でも食いに行くか？と、やはり轟の言葉を待つことなく、アレもいいなぁコレもいいなぁとAは一人で喋り続ける。
Aは元々喋る方ではあるが、酔うと余計にお喋りだなぁと、轟はそんな風に思いながら楽しそうにするAを見ていた。
それに気づいたAは打って変わって不満そうな顔をする。
『俺の話聞いてるか？お祝い要らん？』
「いや、いる」
『あはは、素直でよろしい！』
轟の言葉にまたころりと表情を戻した。
しかし、これから忙しくなりそうだしなぁと唸りながら残ったビールを飲み干す。
『とりあえず今はコレな』
「う、わ…」
Aは空になった缶を置き、轟の頭を両手でわしゃわしゃと撫で回す。
酔って力加減の分かっていない撫で回しに頭を振られても、轟は拒否をしなかった。
いや、正確には拒否したくなかった。
彼はAに撫でられるのを心底喜んでいたのだ。
なぜなら、轟にとってAは長年ひそかに想いを寄せている人だから。
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ありと(プロフ) - るるさん» るるさま、コメントありがとうございます！更新遅くて申し訳ないです…頑張ります！ありがとうございます！ (1月13日 9時) (
レス) id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
るる - すごくこの小説気に入りました！ 更新頑張ってください！ (1月11日 22時) (レス) id: b6f4e9157d (このIDを非表示/違反報告)
ありと(プロフ) - 白さん» 白さま、コメントありがとうございます！コメント頂けただけで感激です！ありがとうございます！！更新がんばります！ (2022年10月18日 1時) (レス) @page17 id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
白 - 応援してます！(自分語彙力なくて語りたいけど語れませんんんん)とにかく好きです！！ (2022年10月18日 0時) (レス) @page17 id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
ありと(プロフ) - Ribさん» Rib様、はじめまして！コメントありがとうございます！すごく嬉しいです！！先は長くなりますが、これからもよろしくお願いします！！更新頑張ります！ (2022年10月17日 16時) (レス) id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありと | 作成日時：2022年10月5日 22時
