第十四話 ページ14
you side
『ふー…帰ろうかな』
外が薄暗くなり始めた頃、授業の準備や予習、他の先生から引き受けた雑務を終えた。
久しぶりに教師をやるということもあり、1年生の授業のみ担当している。
その代わり、他の教師らの雑務を手伝える範囲で手伝う、という条件付きだ。
とはいっても、他の教師らと比べれば全然やる事は少ない。
『あれ…』
校門へ向かう途中、校門付近で見慣れた赤と白の頭を見つけた。
『しょ……あー、轟！』
「……雲井先生」
思わず名前で呼びかけたが、さすがに校内でそれをすればあらぬ噂を立てられかねない。
苗字で呼べば焦凍は足を止めて振り返り、妙な間をあけて返事をした。
『まだ居たのか？何してたんだ？』
「別に、図書館にいた」
『ふーん』
きょろ、と辺りを見回しても生徒は1人も見えない。
『よし、特別に送ってあげよう』
「は？」
『他の奴らには言うなよ。じゃ、校門の近くで待っとけよ』
「あ、おい……」
何か言いかける焦凍を無視して駐車場へ小走りで向かった。
『お待たせ』
「…いいのか？誰かに見られたら…」
『んー、まぁそん時はそん時だ。早く乗れ』
「……」
ひとりの教師として生徒を贔屓するのは実際良くないが。
それでも焦凍は自分の中では特別な存在だったりする。
だから、少しぐらい可愛がってもいいだろう。
まだ少し抵抗がありそうだったが、急かせば素直に助手席に乗り込み、おとなしくシートベルトをつけたので、車を発進させた。
『あ、そうだ。昨日のヒーロー基礎学、すごかったなぁ』
「アレぐらい、普通だろ」
『いやーそうでもないよ。でもあれだな、大雑把だよなー』
「…」
『建物内に敵だけだったからいいものの、一般人居たらできないからな。大雑把なの性格出てるな、あはは』
「…Aの授業も結構大雑把だけどな」
『えっ…まじ？』
運転中にも関わらず、つい焦凍の方に顔をむけてしまった。
焦凍も、したり顔でこちらを見ていて、目が合うとすぐに顔を逸らされ、窓の外に顔を向けた。
なんか、普通にショックだ…。
優秀な焦凍が言うのだから、本当に俺の授業は大雑把なんだろうな…それじゃ伝わらないよな。
『あの…焦凍クン…今度アドバイスしてくれ』
「気が向いたらな」
『とか言いながらちゃんと教えてくれるんだよなー』
「…」
さすがに無視された。
．
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ありと(プロフ) - るるさん» るるさま、コメントありがとうございます！更新遅くて申し訳ないです…頑張ります！ありがとうございます！ (1月13日 9時) (
レス) id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
るる - すごくこの小説気に入りました！ 更新頑張ってください！ (1月11日 22時) (レス) id: b6f4e9157d (このIDを非表示/違反報告)
ありと(プロフ) - 白さん» 白さま、コメントありがとうございます！コメント頂けただけで感激です！ありがとうございます！！更新がんばります！ (2022年10月18日 1時) (レス) @page17 id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
白 - 応援してます！(自分語彙力なくて語りたいけど語れませんんんん)とにかく好きです！！ (2022年10月18日 0時) (レス) @page17 id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
ありと(プロフ) - Ribさん» Rib様、はじめまして！コメントありがとうございます！すごく嬉しいです！！先は長くなりますが、これからもよろしくお願いします！！更新頑張ります！ (2022年10月17日 16時) (レス) id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありと | 作成日時：2022年10月5日 22時
