第二話 ページ2
you side
「これ、何てよむの？」
『んー？ああ…えーと、』
焦凍は何が気に入ったのか、週に何度かうちに来て、俺の部屋で爺さんが集めた図鑑を眺めるようになった。
なんというか、子供ってこんな静かなのか？というくらい焦凍は大人しくて、たまに読めない漢字を聞いてくるだけ。
しかも、長くても30分もしたらさっさと帰ってしまう。
『焦凍はさ、兄弟とかいねーの？』
「…いる、けど…遊んじゃダメって…」
『ふーん？俺はいいの？』
「お父さんには言ってない…お母さんだけ…」
『まじか』
エンデヴァーに知られたら、これ俺燃やされないか？
何の事情があって兄弟と遊ばせてもらえないのか知らないが、こんな歳の離れた野郎の家に行っているなんてバレたら…。
ゾワ、と鳥肌がたった腕をさすった。
『ま、まぁ母親が知ってんならいいか…』
「かえる」
『おー』
部屋の扉を開けてやり、玄関を出て家の前の道まで焦凍の手を引いて歩く。
車通りは少ないが、まだ小さいからな。
『じゃあな』
「ばいばい」
いつものように無表情で手を振る焦凍は、隣の玄関を跨いですぐに見えなくなった。
『4歳の子供が何を抑え込まれてるんだか…No.2の息子ともなると色々大変なんだなぁ…』
ふと、隣から聞こえる子供たちの笑い声。
その中に焦凍の声はない。
『……』
服に隠れて見えなかったが、焦凍の体にはいくつもの傷や痣があった。
そして、焦凍だけが、孤立しているような。
『あんまり人様の家に口出しするべきじゃないよな…』
お隣さんとはいえ、かの有名なプロヒーローに何も言えるわけがない。
けど、もし焦凍に何かあったら。
『…何かできないかな…』
「お前みたいなクソガキに何ができるって？」
『！？げ…爺ちゃん…』
いつの間にか背後に立っていた爺ちゃんに声をかけられ、驚きで肩が跳ねた。
「まずは儂らを助けろ馬鹿もんが、さっさと婆さんの手伝いをしろ」
『わかったってば…』
爺ちゃんの後に続いて家に入る。
結局、子供達の笑い声に焦凍の声が混じることはなかった。
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ありと(プロフ) - るるさん» るるさま、コメントありがとうございます！更新遅くて申し訳ないです…頑張ります！ありがとうございます！ (1月13日 9時) (
レス) id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
るる - すごくこの小説気に入りました！ 更新頑張ってください！ (1月11日 22時) (レス) id: b6f4e9157d (このIDを非表示/違反報告)
ありと(プロフ) - 白さん» 白さま、コメントありがとうございます！コメント頂けただけで感激です！ありがとうございます！！更新がんばります！ (2022年10月18日 1時) (レス) @page17 id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
白 - 応援してます！(自分語彙力なくて語りたいけど語れませんんんん)とにかく好きです！！ (2022年10月18日 0時) (レス) @page17 id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
ありと(プロフ) - Ribさん» Rib様、はじめまして！コメントありがとうございます！すごく嬉しいです！！先は長くなりますが、これからもよろしくお願いします！！更新頑張ります！ (2022年10月17日 16時) (レス) id: 6a2ec03b50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありと | 作成日時：2022年10月5日 22時
