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4、安心して ページ4

【コネシマ】

俺が解放されたのはAが来た次の日だった。

一人の執事が鍵を開け、扉を開くと同時に、
Aが俺に飛び付いて来た。

『お兄ちゃんッ!!』

kn「お、おぉ…A…」

しばらく何も食べずに過ごしていたせいか、
飛びつかれた反動に体が追いつかない。

kn「A、寂しかったか?」

『うん、早くお兄ちゃんと遊びたい!』

kn「よしよし、これから沢山遊んでやるからな!」

俺が優しく撫でてやると、Aは嬉しそうにニコッと笑った。


「…あら、もう出たのね。」

Aを抱いて部屋を出ると、聞きたくない声が聞こえてきた。

kn「……」

顔すら合わせたくない為に、俺はそのまま何事もなく通り過ぎた。

kn「………大嫌いや…」

姿が見えなくなったところまで来ると、
俺は小さくそう呟いた。

『お兄ちゃん?』

kn「…何でもないで。」

不思議そうにこちらを見てくるAの頭にポンッと手を置いて、
俺は早足で部屋に向かった。





ー夜ー

kn「はぁ〜……」

約3日間の慣れない環境での生活と、Aの世話で大分疲労が溜まってしまった。
俺は久しぶりのベッドにダイブする。

もう今日は寝てしまおう。
そう思った時、


コンコンコンッ


地下室の時と同じ、部屋の扉を叩くあのノックの音が聞こえた。

『……お兄ちゃん…』ガチャ

kn「おう、どうしたA。」

俺はベッドから降りてAに歩み寄る。
Aはパジャマ姿で枕を抱き抱えていた。

『あのね……一緒に寝てほしいの』

kn「眠れないんか?」

俺が聞くと、こくんと頷く。

そりゃそうだ。
いつも愛用して一緒に寝ているはずのぬいぐるみはもう無いのだから。

しかも、Aは4歳にして一人部屋。
これもあのクソ親が決めたこと。

寝れるわけがない。

kn「無理して捨てるからこうなるんやぞ。」

『だって……お兄ちゃんが…』

kn「はぁ…しゃあないなぁ…」

俺はAを抱いて、ベッドの上に降ろした。

kn「ほら、ここ寝てええから。」

『ありがとう、お兄ちゃん!』

kn「ん、ええで。」

俺は電気だけ消して、Aの横に潜り込んだ。

kn「今日は俺がおるから安心して寝るんやぞ。」

『うん、おやすみなさい』

kn「おやすみ」

Aは言われた通りに安心して眠った。

俺にくっついて。


だから俺もくっつき返してAを撫でてやった。

kn「……お前だけやわ、ホンマに。」

5、普段と違うこと→←3、宝物



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ラム猫。(プロフ) - 無能のえび?■さん» ありがとうございます〜!続編も予定してますので、これからもよろしくお願いします! (2022年7月2日 22時) (レス) id: c5599bddd6 (このIDを非表示/違反報告)
無能のえび?■(プロフ) - めちゃくちゃこういう話好きです(唐突な告白)応援してます!! (2022年7月2日 21時) (レス) id: 1a63966cd0 (このIDを非表示/違反報告)
ラム猫。(プロフ) - 翔星さん» コメント、ありがとうございます!これからも頑張ります!提案とは何でしょうか? (2022年2月23日 17時) (レス) id: d966995688 (このIDを非表示/違反報告)
翔星 - わぁ、すごく良い小説ですね! …提案なんですけど、っていうのはどうでしょうか? これからもがんばってください! (2022年2月23日 17時) (レス) id: 0bc9a44903 (このIDを非表示/違反報告)
ラム猫。(プロフ) - 猫さん» 盛りだくさんの誉め言葉、ありがとうございます!!これからも更新頑張っていきますので、もっと心臓に矢を刺される覚悟をしてください!! (2022年2月18日 16時) (レス) id: 7f9f611098 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ラム猫。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aoiwrwrd4/  
作成日時:2022年1月23日 21時

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