No,7 ページ8
zm「A！どこ行ってたん！？」
『…あぁ、ゾム』
Aの姿を捉えたゾムは一目散にAのところまで走る。
そんなゾムに「廊下は走っちゃダメでしょ」なんて呑気な言葉をかけるA。
zm「心配しててんで！？Aが居なくなったかもしれへんって…」
『居なくならないよ、大丈夫』
zm「良かったわぁ…」
『少し出かけてただけだからね…』
zm「…でも、Aふらふらやん……って、A！？」
限界が来たAは、ゾムに体を預けるようにして倒れ込んだ。
ゾムは慌ててAを支える。
『あぁ、ごめん……ちょっと疲れてて』
zm「ホンマに大丈夫か？」
『大丈夫大丈夫』
口ではそういっていても、明らかに疲れ切った表情をしている。
zm「俺が部屋まで運ぶわ」
『いいよ、大丈夫』
zm「こっちは心配してんねん、ちょっとは甘えてもええんちゃうか？」
『誰かに見られたら何か言われるし、大丈夫』
Aがゾムに運ばれているところを見られたら、
きっと、いや必ずAに文句を言うだろう。
ゾムが可哀想だとか、歩くことも出来ないのかだとか。
ミシェルに見つかれば尚更だ。
zm「……分かった、じゃあせめて着いていくわ」
少し不満がありつつも、百歩譲ってゾムが折れた。
Aには、何故か逆らえへん。
『そんな心配しなくていいよ』
zm「急に倒れたらどうするん」
『あり得ない』
zm「さっき倒れたのに？」
そう言われると、Aは言葉が出ない。
実際、体が悲鳴を上げている。
国と国を跨いだAにとっては当たり前の症状だった。
『…情けないな』
zm「……」
そのAの言葉は、ゾムは都合よく聞こえなかったことにした。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
kn「ぐっすりやな」
rb「…あぁ、せやな」
Aが寝ている様子を眺める心無い二人と、
Aのすぐ横で心配そうに見守っているゾム。
zm「無理してへんかな…」
あの後、部屋に戻ったAはすぐにベッドへ倒れ込んだ。
余程疲れていたのか、寝息をたて、深い眠りについている。
rb「まぁ、実際無理してへんかったら可笑しいやろな」
kn「…俺らも戻ろか」
女部屋に男三人でいるのは、少し気まずい。
何なら、その女は寝ている訳で。
kn「A、俺はどんな手を使ってでもお前を助ける」
zm「絶対最後は笑顔になって貰うんや」
rb「せやから、ゆっくり休んでな」
扉が静かに閉まり、部屋にはAの寝息だけ音を立て続けていた。
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ラム猫。(プロフ) - くろほたるさん» ありがとうございます！実は続編も出そうか悩んでいるので、その時はまた読んでくださると嬉しいです！ (2023年1月25日 20時) (
レス) id: 02801ed11f (このIDを非表示/違反報告)
くろほたる(プロフ) - 最後はやっぱり彼らの事が大好きだという言葉が見えて満悦です。死後世界組の関係も個人に刺さりまして起承転結全て楽しめました。執筆お疲れ様です！とても面白かったので周回できます！ (2023年1月25日 18時) (レス) id: fe43882e7d (このIDを非表示/違反報告)
ラム猫。(プロフ) - 感動して頂けたなんて光栄です！なるほど…今作はここで打ち切りの予定でしたが、続編も考えて見ます！ (2022年11月28日 18時) (レス) id: c372fc4406 (このIDを非表示/違反報告)
らねい(プロフ) - 今更ですが全話読みました、めっちゃ感動しました！個人的な感想ですが、wrwrdの皆が過去に戻って夢主ちゃんを救うみたいな展開があったらエモすぎる…次の作品も楽しみにしてます‼️ (2022年11月28日 17時) (レス) id: 2c672365af (このIDを非表示/違反報告)
ラム猫。(プロフ) - 狐の巫女さん» ありがとうございます！！語彙力の無さで理解して下さり、嬉しいです！！ (2022年11月5日 18時) (レス) id: 51f19f872f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラム猫。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2022年10月2日 22時
