蝕め、呪詛【d！】

No,11 ページ12

『ごめんね、訓練中に呼び出して』

kn「Aのお願いやったらええよ」

zm「ちょうど終わったところやし！」

にっと笑って見せる二人。
その笑顔は、Aの口元を自然と歪ませた。


kn「…！」

『？…なに？』

kn「え、いや……」


ミシェルにAの場を奪われてから、Aから笑顔は消えた。

笑わなくなったのだ。


なのに、今、ほんの少し、笑った。
それを目の当たりにした三人は嬉しさと驚きの半々、複雑な気持ちだった。

『ゾム、私との訓練に付き合ってくれない？』

zm「え、その体で？やめといた方がええんちゃう？」

『何言ってんの、訓練全部ゾムに任せちゃったし、暗殺部隊としての名が落ちるじゃん』

zm「訓練は別に気にしてへんよ」



rb「行かせへんで」


『時間の無駄じゃん、何が何でも行く』


Aは体に疲労が溜まっていると自覚した上で、
訓練をしないと体が鈍ると思っている。



ミシェルを見返す為に、強くなくちゃ。


kn「まぁ…何や…、今日は休んどけ。俺らでもやれるから心配すんな」

そうコネシマが言葉にした時、部屋の扉がノックされた。
その音で一同は一斉に警戒する。

ここのメンバー以外は信用出来ない人物しかいない。


その一人が訪ねて来たのだ。

警戒しないわけがない。



ms「Aさーん！いますかー？」



zm「…ｯﾁ」

よりよってミシェル、元凶本人が来るとは。


扉が開かれる前に、急いでカプセルを口に含み、飲み込む。

ms「あ！ゾムさん達もいたんですね！ちょうど良かった！」

rb「……何や」

ms「そんな怖い顔しないで下さいよ〜、伝言を伝えに来たんですって」

ニコニコと作り笑いを貼り付けるミシェルは、
四人に気色悪い感覚を味合わせる。

こんな分かりやすい作り笑いを見るのも嫌になる。


ms「訓練場で軍人さん達がお二人を呼んでましたよ？」


ゾムとコネシマを交互に見るミシェル。
そのつぶらな瞳の裏は真っ黒だ。

kn「…ｯﾁ、Aすぐ戻る」

zm「ちょっと待っとって」


ミシェルには目もくれず、部屋を全力ダッシュで去っていく。

そんなことも気にせず、ミシェルは次にロボロを見つめる。

ms「ロボロさん、グルッペンさんが呼んでました！」

rb「ホンマか、それ」

ms「はい！……ほら、インカム光ってますよ」

ロボロの耳元を指差す。
インカムからは、黒い光が点滅していた。


黒いランプは、グルッペンからの連絡で間違いない。


嘘はついてなさそうだ。



rb「グルッペン、後じゃアカン？……え、今すぐ？マジ…ふざけんなよ」

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