【合作】夏は俺らが彩る【d!】 (ページ17)

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暑いからと学校の近くにある自販機からジュースを買ってチーノに手渡す。

最初は全く本心を見せてくれなかったチーノだが、こうして付き合うと感情の振れ幅が大きく、私だけにしか見せない表情に少しどきりとしてしまう。

根は良い子なので、「……ありがとうございます」とオレンジジュースを飲んでいる。

『まあ仕方ないよね。私とチーノは先輩後輩だし。同級生の方がよく喋るというか、チーノ経由で話して意気投合した人も居るくらいだし』

「1年早く産まれてればなぁ……」

そんなしょげているチーノが可愛くてついつい頭に手を伸ばすと振り払われてしまう。
それはまるで子供扱いするなとばかりに私を睨んでいて、不味いと思った矢先には壁に手を当てられている。

「俺の事、後輩後輩可愛いって舐めてるとそろそろ痛い目あうで。何が1年の差や、確かに学年はちゃうけど。俺はAに可愛いやなくて格好良いって思われたいねん」

そう言って誰も居ない事を理由に、まるで大人がするような深いキスをしてくる。

その光景は、まるで2人を祝福するように大きく合唱した蝉と、当事者の私達しか知らないであろう。

「んでA、明日からちゃんと会いに来てな。てか俺から会いに行くから。待っててな」

そう笑ったチーノは、いつもの可愛さではなく、まるで私を抜かしたようなそんな大人びた空気を纏っていた。