青春の馬 5

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A side




朝からどうも体調が悪かった。

でも味覚もあるし、ちゃんと嗅覚もある。

だから大丈夫だと思ってたんだけど、楽屋のザワザワな声を聞くと頭が痛くなってきた。

いつもなら大好きな空間も、しんどい時には苦手になるんだね。

そんな空気に耐えきれず、収録が始まるまでは静かなところで休もうと思ってたんだけど…

キャプテンには全てお見通しだった。

お言葉に甘えさせてもらって、今日はお休みすることに。






:






久美 「A！終わったよ〜！おまたせ〜！」


「あ、久美さんっ…！」


久美 「体調大丈夫そう…？」


「まだフラフラするんですけど、さっきよりはだいぶ楽になりました」


『点滴が効いたみたいで安心だよ〜』


久美 「え、A点滴したの？」


「もう辛すぎて… (笑) 」




約束通り、医務室まで久美さんが迎えに来てくださった。

そんな久美さんは、私が点滴をしたことに驚きを隠せない様子。

いつもなら絶対しないんだけど、ほんとに死にそうだったからね (笑)

おかげでだいぶ楽になって、凭れて座らなくても大丈夫になった。






:






久美 「じゃあそろそろ帰ろっか。

マネージャーさんが、バスじゃなくて車出してくれるって」


「ありがたい…」


久美 「ね〜！荷物持ってあげるから、歩ける…？」


「大丈夫です…っ！」




優しすぎる久美さんに支えてもらって、マネージャーさんの車に乗り込んだ。

不思議なことに、さっきまで寝てたのにまた眠気が襲ってくる。

久美さんに寝ていいよって頭を撫でてもらうと、高速で瞼が落ちて来た。

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