青春の馬 5

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___その年の夏に起きた、人生で最大の転機

彼女は坂道合同オーディションに合格した

日陰だった人生が、少しづつ陽に照らされていく




「中1の夏休みにオーディションに合格して、配属されたのはその年の冬ですね。

2学期はレッスンを理由に学校を休んでました。

なので結局、大阪の中学校には1学期の間しか通っていません。

東京の学校に転校するってなった時、ひなのが私の学校に来なよって行ってくれたんです。

ずっと迷っていたので、その学校に通わせて貰うことになりました。

最初はやっぱり緊張してたんですけど、クラスの子たちがすごく暖かくて…

初めて、学校ってこんなに楽しい場所なんだなって思えるようになりました。」




___東京に来て、人生が180度変わった山本さん

彼女が加入してから、ずっと言われ続けている言葉がある


《日向坂46の次世代エース》

《未来のセンター》


そのような言葉は全て、彼女に寄せる期待値

ほんの２年前までは、全く想像していなかった言葉であろう




「人生何があるか分からないって、本当に心の底から身をもって言えます。


お姉ちゃんが家族じゃなかったら…

お姉ちゃんが漢字欅さんのファンじゃなかったら…

あの時テレビが付いていなかったら…

ひらがなけやきに出会わなかったら…

オーディションの情報を知らなかったら…

オーディションに落ちていたら…


今、私はどのような人生を歩んでいるのか全く想像できません。

アイドルになれて、皆さんに出会えて、本当に幸せです。

だからこそ、今辛い思いをしている方たちに届いて欲しいです。

たった2年、2年でここまで人生が明るくなるんです。

私が私で居られる場所、それが日向坂46です

14年間生きていて、やっと私の居場所を見つけることが出来ました…っ」




___そう言い切ると、彼女は大粒の涙を流した

やっと見つけた私の居場所

そこは太陽のように暖かい場所だった

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