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A side
「んんっ…」
久美 「どう?大丈夫…?」
「も、吐く…」
久美 「ちょっと待って…!よし、もう我慢しなくていいよ」
さっきまでとはまた違った気持ち悪さで目が覚めた。
寝る前は吐き気もまだそこまでだったのに、今は気を抜くともう吐いてしまいそうだった。
久美さんはすぐに動いてくださって、袋を渡してくれる。
背中を摩られると一気に胃から何かがせり上がって来て、思いっきり戻してしまった。
:
「ん〜っ…」
久美 「泣かないよ、もっと辛くなっちゃうからね?」
「はぁ…っ…ん…」
久美 「うわ、手冷たい…」
すぐ近くに久美さんがいてくれてるはずなのに、なぜかすごく心細くなった。
反射的に、袋を持った反対の手で久美さんの手を握ってしまう。
久美さんの手はすごい暖かくて、次第に吐き気も治まってきた気がした。
:
久美 「もう大丈夫〜?」
「すみませっ、こんな汚いの…」
久美 「そんなの全然気にしなくていいよ〜、しんどかったんだもんね」
「うん…」
久美 「私色々片付けて来るから、とりあえず寝てな?」
「ん…」
久美 「そんなに泣かないの (笑) 」
先輩の前で吐くなんて、申し訳ないにも程がある。
だけど久美さんは1つも嫌な顔せず、ずっと隣にいてくださった。
私もいつかは久美さんみたいな先輩になりたいな。
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作者名:みるく | 作成日時:2022年1月26日 20時