青春の馬 2

・ ページ48

加藤 side




踊ってる時に、Aの体調が悪そうだなって思った。

おひさまの方を向いて踊ってる時は笑顔だけど、後ろを向いてる時は辛そうな顔だったから。

昨日といい今日といい、すごい張り切ってたもんね。

今はどんな感じだろうってAを探すと、ここにはいないことに気付いた。

まさかどこかで倒れてるんじゃ…

さっき歩いた道を急いで引き返した。






:






「A、としちゃんだよ〜」


A 「んっ… っ、ふ、は、ぁっ、はっ、はぁ…っ」


「ゆっくりだよ〜、もう大丈夫だからね〜」




嫌な予感は的中し、座り込んで過呼吸になってたA。

手を握ってやるとすごく冷たくて、なんでもっと注意して見とかなかったんだろうって後悔した。

体を預けて貰って呼吸を促してるんだけど、なかなか落ち着かないな。

いつもならこうしてると、だんだん落ち着いていくはずなのに…






:






「A、これでとしちゃんと一緒に呼吸してみよっか」


A 「……っ、っは、はぁっ、…っう、ひ…っ」


「はい吸って〜、吐いて〜」




気を利かせたスタッフさんが、ビニール袋を持ってきてくださった。

やっぱりビニール袋の効果はすごくて、Aの呼吸も落ち着いてきたかな。

でもぐったりとして、ししの方に体を預けてくるA。

過呼吸ってすごい体力使うもんね。

しかもライブ終わりだし、ほんと良く頑張ったよ。

・→←☆ やる気が空回りして

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す