青春の馬 10

☆ 大好きになりたいのに… ページ20

加藤 side




明日のライブに備え、新幹線で大阪までやって来た。

ししは本場のたこ焼き食べたいんだ〜！あとは串カツかな。

食べ物も楽しみだけど、もちろん大阪のおひさまに会えるのも楽しみだよ〜。






:






「A？どした？」


A 「あ、史帆ちゃん…」


「顔色悪いじゃん。体調悪い？」


A 「ううん、平気だよ」


「ん〜？確かに熱は無さそうだね。何かあったの？」


A 「…」


「今日お家帰れるんでしょ？良かったじゃんっ」


A 「ん…っ」


「え…？どしたどした？大丈夫よ〜」




リハの休憩中、ステージのど真ん中で1人座り込んでたA。

いつもは3期生と一緒にいるし、何かあったのかな〜って話しかけてみた。

そんなAの顔色はすっごい悪くて、体調が悪いのか疑ったほど。

でもおでこは冷たかったし、Aの言った通り体調不良ではなさそう。

そんな中、"お家"ってワードを出すと固まったA。

目からは涙も溢れて来て、焦点も一気に合わなくなった。

あぁ、これが原因だ…

ししが思ってた以上に、Aの心の傷は何倍も深かったんだね…

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