青春の馬 9

半年間に及ぶ挑戦 ページ4

ケヤフェスまで3週間を切り、私の気持ちも何とかまとまってきた。

だけどそんな中、新たな悲報が私たちに飛び交った。

少し前から体調の悪い日が続いた、2期生の小坂菜緒さん。

とうとう限界が来て、一定期間の休養を取ることになったらしい。

ただでさえライブ前で忙しいって言うのに、写真集の宣伝もある。

菜緒さんは全く悪くないけど、やっぱり悲しいな…






:






『山本、ちょっといいか？』


A 「はい、大丈夫です」


『今からセトリは変えられない。

小坂センターの曲は、何人かがセンターを回すことになったんだ。

それで、山本にもセンターを頼みたい』


A 「…え？センター…？」


『そうだ、JoyfulLoveでセンターに立って欲しい』


A 「ジョイラ…」


『今までずっと柿崎のポジションに立ってただろ？

今回柿崎のポジションには、上村に入ってもらおうと思ってる。

……どう？出来るか？』


A 「頑張らせてください…！」


『頼んだよ。それに、今度のアリーナツアーのことも先に言っておく。

小坂の復帰は、そのアリーナツアーにも間に合わない。

だから引き続き、センターよろしく頼むよ』


A 「分かりました、ありがとうございます」




突然廊下に呼び出されたと思ったらこの状況。

全く予想してなかったことで、最初は何を言われてるのかが理解出来なかった。

でも、私に期待してくれているってのは分かった。

もしここで出来ません、無理ですって言ったら、もう1歩も成長出来ないと思ったから。

だからこの挑戦、受けて立つことにしたんだ。

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