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8_A17 ページ10

小さい頃のことなのに、なぜか鮮明に覚えている。

小学5年生の時だ。

リトルリーグの試合で、親の友達の子供が見に来ていた。

長めのサラサラの髪、肌は白く、黒いパーカーにジーンズという姿が小学1年生らしからぬ雰囲気を醸し出していた。

その子は試合を食い入るように見つめていた。

試合後。

その子の親が俺の親と話していた。

俺は親のところへ行った。


「お、翔平久しぶり。この子、俺の子供。ほらA。自己紹介」


Aと呼ばれた女の子は口を開いた。


「三日月Aです。1年生です」

「Aちゃん?俺は大谷翔平。よろしくね」

「……かっこよかった」

「ありがとう」


俺が言うと、Aちゃんは笑った。

その笑顔は思ったよりも子供らしくて可愛かった。



数日後。

Aちゃんが野球を始めたことを知った。


「翔平に憧れて、だって」


お母さんがニヤついて言う。

俺に憧れて、か。

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作者名:月冴-tsukasa- | 作成日時:2023年3月22日 1時

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