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一軍の試合に出たい。
そう思いながら毎日練習を重ねた。
できないことを徹底的に練習して、分からないことはなるべくコーチに聞くようにした。
食べ物も睡眠時間もしっかりとった。
それでも、1年目の間に一軍に行くことは叶わなかった。
オフは数日だけ実家に戻った。
久しぶりに会った碧斗は身長が伸びて、手にマメがたくさんあった。
「僕、この前ホームラン打った!」
「え、本当?すごいじゃん!」
オフシーズンはあっという間に過ぎていった。
キャンプは今年も2軍に帯同。
開幕も2軍だった。
朗報が舞い込んできたのは交流戦が始まってすぐの頃。
1人の外野手が怪我をしたから代わりに外野手を1軍にあげるという話になったらしい。
その代わりの選手に、私が選ばれた。
最初はもちろんベンチスタートだけど、運が良ければレギュラーも……なんて話していた。
昇格の日は6月14日。
相手は東京ヤクルトスワローズ……。
村上宗隆くんがいる球団だ。
何で少しうれしくなったのかは分からない。
ただ、自分が村上くんと話せたらいいな、なんて思っていることだけはわかった。
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作者名:月冴-tsukasa- | 作成日時:2023年3月22日 1時