君に出会えて【滝澤夏央】

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気まずい。

とにかく気まずい。

あの後そろそろ帰ろう！となって車に乗り、碧斗たちが見えなくなった瞬間、

車内の空気が一気に冷えた感覚がした。

空気がどんよりとしている。

思わず、車についたテレビの音量を少し上げたくらいだ。

トンネルに入ると電波が悪くなって、テレビ画面がフリーズし、音も聞こえなくなった。

私は窓の外を見つめる。

夏央くんは車を走らせる。

あ〜気まずい。



やっと帰ってきた……。

あの空気で5時間はきつかった……。

寮の部屋でベットにダイブする。

とりあえずスマホで『恋』と調べてみた。


「特定の異性に強く惹かれ、会いたい、ひとりじめしたい、一緒になりたいと思う気持ち……」


色々記事を見てみたけどよくわからなくて、スマホを放り投げた。

スマホはクッションの上にぽすんとおっこちた。

ああ、もうほんとにどうしたらいいの……！？


「……夏央くんのばーか」

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