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「これ、何?」


夏央くんが見ていたのは、左手首の切り傷だった。


「離して!」


私は夏央くんの手を振りほどこうと手をぶんぶんと振った。

それでも夏央くんは離してくれなかった。

ただまっすぐに、私を見つめていた。

やがて、口を開いた。


「コレ、自傷行為ってやつでしょ?」


私は黙ったままなにもしなかった。

夏央くんは続けた。


「ねえ、辛いことがあるんだったら相談してよ。
一人で抱え込まずに、さ。
心配だから」


その言葉を聞いて、唐突に怒りが噴き出してきた。

何言ってんの?

どうせ相談したって夏央くんにはどうにもできないことだろ。

そう。何も変わらない。

綺麗事言ってんじゃねえよ。

綺麗事いう奴が、私は一番嫌いだ。


「ッるさい!」


そういって夏央くんの手を振りほどいた。

そして夏央くんを睨みつけた。


「なんでそんな私にかまうの?」


自分でも驚くくらい低い声だった。


「ッ、それは……」


夏央くんは下唇を噛んだ。

そして、寮に走って戻っていってしまった。

そして、思った。

自分、酷かった。

感情的になっちゃった。

自己嫌悪。

とりあえず片づけをして、寮に戻った。

その日を境に、夏央くんは話しかけてこなくなった。

私が近くに行くと、逃げるように去っていく。

私の調子はどんどん落ちていった。

そして、

二軍行きを告げられた。

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月星葵(プロフ) - 葵音!ありがとう!! (2023年1月7日 20時) (レス) id: faee0afbe9 (このIDを非表示/違反報告)
葵音-aoto-(プロフ) - まさかああなるとは・・・・・・いい意味で裏切られた! (2023年1月7日 20時) (レス) @page48 id: d9cc2f2620 (このIDを非表示/違反報告)
月星葵(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます!更新頻度は最初に比べて遅いですが、頑張ります! (2022年11月29日 21時) (レス) id: faee0afbe9 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます! (2022年11月29日 19時) (レス) id: d9e0e07b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月冴-tsukasa- | 作成日時:2022年11月9日 0時

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