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ある日。
碧斗から電話がかかってきた。
「ん、もしもし?」
「もしもーし!お姉ちゃん久しぶり!」
「久しぶり」
元気そうな声が聞こえてくる。
碧斗は最近の学校生活について話し始めた。
「でね、樋山先生が言ってたのが、
クラスみんなで団結して、一人も置いていかないようにしようってこと!」
「……」
その言葉は、聞いたことがあった。
樋山先生というのは私が通っていた小学校の音楽の先生で、今年で9年目……かな?
その人が異動してきて私たちのクラスにその言葉を言ったのだ。
私はその言葉が嫌いだった。
クラスみんなで団結なんて、できない。
一人も置いていかないなんて、できない。
誰か一人が嫌われ者にならなきゃ、団結しない。
私はその嫌われ者の一人に、たまたま当たってしまった。
でも、誰も助けてくれなかった。
みんな私をおいていった。
「お姉ちゃん?」
「……あ、なんでもない。頑張ってね」
「うん!」
碧斗は野球の話をし始めた。
上手くいっているようだ。
初めてホームランを打ったって。
その声を聞くと、嬉しそうにそれを語る碧斗の姿が見えるようだった。
頑張ってるんだね。
「これからも、頑張って。
新潟に戻れた時は、ホームラン見せてよ」
「うん!」
碧斗は嬉しそうに言って、電話を切った。
頑張ってほしいなぁ。
野球も、学校も。
外れくじを引かないでほしい。
そして、
外れくじを引いた人とは、優しく接してあげてほしい。
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月星葵(プロフ) - 葵音!ありがとう!! (2023年1月7日 20時) (レス) id: faee0afbe9 (このIDを非表示/違反報告)
葵音-aoto-(プロフ) - まさかああなるとは・・・・・・いい意味で裏切られた! (2023年1月7日 20時) (レス) @page48 id: d9cc2f2620 (このIDを非表示/違反報告)
月星葵(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます!更新頻度は最初に比べて遅いですが、頑張ります! (2022年11月29日 21時) (レス) id: faee0afbe9 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます! (2022年11月29日 19時) (レス) id: d9e0e07b11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月冴-tsukasa- | 作成日時:2022年11月9日 0時