Trifling 8 ページ10
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視聴者が3万人を超えた。
S【ヒントの時間です。
M先生、背中を見せてあげる】
血のついたナイフで背中側の布を裂き、
身体を露わにする。
ミ「硬直してるから、服を切らないと脱がせられない」
はじめに映ったのは腹部で、
次に背中の傷が映った。
ミ「皮下出血が3ヶ所」
秋「酷い…」
ミ「傷口が3ヶ所。全て紡錘形の刺し傷。
致命傷は肝臓。
出血量から考えて冠動脈を傷つけての失血死。
刺されてすぐの即死ではなく、
徐々に血液が体外へと流れ出た。
5分から10分は生きていたはず」
秋「刺した後、黙って見てた…？」
ミ「凶器は肉厚な有尖片刃器。
一方の形状がギザギザだから、
サバイバルナイフのようなもの」
ミコトは冷静だった。
1人の命を守るという重い責任があるのに、取り乱さない。
S【ヒントタイム終了】
六「さっきのナイフと矛盾しますか？」
ミ「矛盾しない」
六「じゃあ、凶器はあのナイフで
死因は背部刺創による失血死。つまり刺殺。
これ、答えが出たんじゃないですか？」
Sから出された問題は、Yの死因は何か。
ミ「いや、そんな簡単な話じゃないと思う。
Sくんは私に何か言わせたいんだと思う。
言わせたい答えがある。
できるだけ多くの人の前で」
S【次のヒントは視聴者5万人】
ミ「今の録画見せて」
六「はい」
さっきと同じ映像が再び流れる。
ミ「この皮下出血、3ヶ所とも背中の傷と符合してる。
これは、凶器の刃渡りがあと1�僂任眥垢韻譴弌�
皮膚を貫通してたってこと。
ギリギリ貫通しなかったから、
内部の出血が皮下出血として現れた。
この背中の傷で気になるのが、
全て ささくれがない綺麗な傷だということ。
あと、この死斑に隠された痕跡」
秋「え？」
一時停止した映像を使い、説明する。
ミ「皮膚全体が赤紫色に変色しています。
これは死斑と呼ばれる死体現象の一種なんですが、
よく見ると青や黄色が混在しています。
これは、死斑ではなく打撲の跡」
秋「打撲？」
六「刺された時に揉み合った証拠ですか？」
ミ「違う。
これは3日くらい前、こっちは1週間経ってる。
横山くんは、日常的に暴力を受けていた。
誰かから」
見つかった新しい事実。
しかしそれは、悲しい事実だった。
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作者名：チコ | 作成日時：2018年8月8日 20時
