Trifling 20 ページ22
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白井くんの居場所を探している3人。
その時、六郎があるものを見つけた。
六「中堂さん、東海林さん、これ!」
“解体工事のお知らせ”という看板。
辺りを見回すと、
廃アパートの一室に明かりがついていた。
六「あの窓!」
3人はそこに白井がいると見当をつけ、
アパートの中に六郎と夕子が入って行く。
中堂は、その反対側に回り、窓を割った。
鍵を開け、部屋に入る。
白井の姿があった。
系「落ち着け!」
突然の侵入者に驚いて、
白井はナイフを首元に当てる。
系「俺たちは、三澄先生の仲間だ」
白井は微動だにしない。
そんな彼に、ゆっくり近付いて手を差し出す。
系「よこせ」
白「横山は死んだ」
系「あぁ」
白「僕だけが…生きてていいのかな」
系「死んだ奴は答えちゃくれない。この先も」
白井の頰を、涙が伝う。
系「許されるように、生きろ」
そう言って中堂は緩められた白井の手から
ナイフを取り上げ、その手を上から握る。
夕子は隣室で横たわる横山に
白衣をかけてあげると、優しく背中をさすった。
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作者名:チコ | 作成日時:2018年8月8日 20時