Trifling 9 ページ11
・
矢『普通の人間ですよ？
どうしたんですか、そんなこと聞いて』
先ほどの問いに、至って普通の声で答えたA。
そのまま、スマホを持って出ていった。
残された中堂は、
かりんとうを食べながらライブ配信を見ている。
系「今日も世界はクソまみれ」
神「ただいま」
外出していた神倉が戻ってきた。
中堂は慌ててパソコンの電源を落とし、
場所を移動して別の仕事を始める風に装う。
神「雀堂のどら焼き買ってきたー…、
あれ、皆どこ行ったの？
中堂さん？今ちょっと変な動きしたでしょ？
え？
中堂さんちょっと動きおかしかったでしょ！今、」
オフィスの電話が鳴り、
いつもなら考えられないような、
驚異のスピードで電話に出る中堂。
系「なんだ、誰だ」
神「あ、電話とった！
中堂さんがワンコールで電話とった！」
系「あぁっ、うるさい聞こえない！もう一度」
ミ『あの、殺害時の状況を調べたいんです』
系「調べりゃいいだろ」
ミ『あの、ここを動けないので、』
神倉が近寄ってくる。
神「何、何？」
ミ『車でピックアップしたい物があって、』
神「何してるの？」
系の眉間に、どんどん深いシワが寄っていく。
ミ『だからあの、
メールで送ったので見て下さい』
神「皆、一体どこで何を…」
系「クソッ！！！そっちの方がマシだ！」
そう叫んで電話を切ると、
ものすごい勢いで椅子を直し、
上着を取ってオフィスを出て行く中堂。
神「あ、早い！動きが早い！
かつてない中堂さんの動き！
…どら焼きは？」
何も知らされず、ポツンとオフィスに残された
神倉は悲しそうだった。
そこに、1本の電話がかかってくる。
神倉は…ワンコールでそれを取った。
神「もしもし？」
矢『矢向寺です！
神倉さん！どら焼き置いてて下さいね！』
神「えっ、ちょっと！！」
Aからの電話は、すぐに切れた。
神「矢向寺さんまで…」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チコ | 作成日時：2018年8月8日 20時
