philosophical girl【アンナチュラル】

philosophical 13 ページ15

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矢「…ミコトさん」


ミ「ん…って、え」



Aは中堂が消えたのを確認し、
ミコトの手からファイルを抜き取った。


あ、と言う間も無くプリントは
シュレッダーにかけられる。



ミ「Aちゃん？」


矢「こんなもの、あなたからすればただのゴミでしょう？」


ミ「なんで…Aちゃん、」



矢「大変ですよ、ほんと。


頼りにしてもいいかなと思ってる女性解剖医は、
嘘をつくのがとことん下手だし、


実力は十分な男性解剖医は、
失った大切な人のことになると周りが全く見えてない。



だけど、2人はどちらも真っすぐなんです」



Aは、ミコトに微笑んだ。



矢「私は、ミコトさんの真っすぐさが好きです。


あんなもの出さなくたって、
あなたはきっと彼を苦しめてくれる。


そうでしょう？


99.9%有罪判決へ導く烏田検事と、
汚れのない正直者のあなたのコンビならば」



ミコトは、背の高いAを仰いだ。


月明かりに照らされた彼女の横顔は、
この世のものとは思えないほど、美しかった。



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