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philosophical 41 ページ43





それは、烏田のところへ直談判に行った後のことだった。



神『本当は心配です。

あれを出して、高瀬を裁けるかどうか』


矢『大丈夫です。ミコトさんならきっと』



何の変哲も無い、話。



神『矢向寺さん、表情が柔らかくなりましたね。

初めの頃とはまた違った』


矢『…線を引いてたんです。失うのが怖くて』



Aは、彼氏との慣れ始めを話してくれた。



矢『宍戸から聞いたことがあります。


夕希姉、クラブで働いて生計立ててたって。

大学生だった翔は、勉強への不安から
そのクラブに顔を出してたみたいで。


夕希姉、翔のこと よく気にかけてたみたいなんです。

でも、突然店からいなくなって、オーナーに聞いたら亡くなったっていうのを聞いて』







翔『由梨子、さん?』



アメリカから帰国して、
そのクラブの近くにあるバーに行くと、

名も知らない男性から声をかけられた由梨子。







矢『翔が言うには、
夕希姉の話によく出てくる妹に恋をしてたって…、


本当かどうかは分かりません。


夕希姉に憧れて、似ている私は代わりだったのかもしれない。

結局、聞けずじまいです。


でも、そんなのどうだって良かった。

彼は、私をとても大切にしてくれましたから』



指先が、優しくリングに触れる。





矢『神倉さん。私、高瀬の裁判が終わったら…





UDIを、辞めます』



神『え?』


矢『元々、その予定でした。

夕希姉の事件の後、
私は逃げるようにアメリカを離れました。


系さんを恨む家族と生活したくなくて。


系さんの無実を証明したら、帰るつもりだったんです。


翔は、着いて行くって言ってくれていました。

紹介してよ、って…、果たせませんでした』



神『…そうですか。


…手放しがたいですね、矢向寺さんのような優秀な人材。

それに…中堂さんの扱いにおいて、
矢向寺さんの右に出る人はいませんよ』


矢『すみません、』


神『…寂しくなるなぁ』


矢『そんなこと言わないで下さい。
…離れ難くなってしまいます』



ふっ、と寂しげに息をついたAに、神倉は言った。



神『UDIラボは、あなたの第2の家ですよ』


矢『ははっ……家出しちゃいます』



泣きそうになりながら、Aは微笑んだ。



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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (8月21日 20時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 私も続きが気になります(><)面白くて一気読みしました!くっつくの楽しみにしてます!! (2018年9月12日 21時) (レス) id: ccca1c1412 (このIDを非表示/違反報告)
チコ(プロフ) - Yuriさん» ありがとうございます!はい、只今下書き中です!ただ、まだ時間がかかると思われます…すみませんm(_ _)m (2018年9月10日 6時) (レス) id: 28285d67bb (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいていました!主人公ちゃんが帰ってきた時の話を読みたいです!!ご検討いただけますか? (2018年9月9日 21時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
チコ(プロフ) - いつさん» コメントありがとうございます!ありますよね、突然。分かります(笑) 1話1話がまぁまぁ長いので一気読みは大変だったと思いますが…嬉しいです、ありがとうございました! (2018年9月9日 6時) (レス) id: 28285d67bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チコ | 作成日時:2018年9月6日 19時

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