空に花火。隣に君。 ページ7
8月の夜って、なんかこう、言葉にできない良さがある気がする。
今日もまさにそれで、まぁ俗にいう熱帯夜だ。
いつもどうり部屋はガンガンに冷房をかけているが、
ちょっとした用があってベランダに出た。
このマンションの近くで花火大会があるのだ。
…なんどもいうが私には一緒に花火大会に行くような友達はいない。
堀内君を誘うのもアリかなとも考えたが、
夕方といっても7時、忙しいだろうと思ってやめておいた。
それに明かりがついてないのを見ると、堀内君も、友達と花火大会にいっているのだろう。
さみしい夏にはもう慣れた。
あなた「あ、始まった。」
1人だろうがなんだろうが綺麗なものは綺麗だ。
少しだけ微笑んで、タバコを一本引き抜いた。
5分くらいして、堀内君がドタバタと帰ってきた音がした。
それからすぐ大きな窓が開いてベランダに出てきた。
りく「あ、Aさんは行ってなかったんですね」
出てきた堀内君は紺色の浴衣をきてきて、こりゃモテるだろうなぁなんて考えた。
あなた「私は、ここから見る方が好きだから笑」
友達がいないっていう方は言わないでおいた。
あなた「りく君は？」
りく「友達の告白についてっただけだったんで、成功もしたし、
何と無く居づらくなったんで忘れ物したのを口実に逃げてきちゃいました笑笑」
事情を聞くとやっぱり高校生だな。
あなた「そっか。ここ、花火見るには特等席だよ。」
りく「そうなんですね笑 確かに、よく見えます」
あなた「近くで見るのもいいんだろうけどね笑」
りく「もしかして友達いなかったり？笑」
せっかく言わないでおいたのに…笑
りく「あれ、図星でしたか」
あなた「そうだよー、まったくもう笑笑」
りく「じゃあ、」
あなた「ん？」
りく「俺が友達になります笑」
20年間で初めての友達に、少し戸惑ってしまう。
りく「年下にこんなこと言われるの嫌…でしたか？」
あなた「全然、そんなことっ。…嬉しい。」
りく「よかったです笑笑」
その間も咲き続ける花火が、夜空を彩って行く。
もうそろそろ、フィナーレだ。
少しだけ、名残惜しい。
りく「あの、」
りく「せっかく友達になったんだし、」
りく「………………？」
最後の方は、花火の音にかき消されて、聞こえなかった。
あなた「ごめん、なんて？」
りく「名前で呼びませんか、って行ったんです。」
あなた「もちろんだよ。…りく君。」
りく「ありがとう、Aさん。」
フィナーレの花火が、大きな音を立てて、咲き誇った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 174人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
亜緒(プロフ) - パオーンさん» コメントありがとうございます!!!!復帰後初のコメントに暖かいお言葉、嬉しいです……時間があれば、短めのを月曜前に更新できたらなと考えておりますので、よかったら読んでやってください！頑張ります！(2000字って難しいですね!!!!) (2019年8月14日 13時) (
レス) id: d418bc9a04 (このIDを非表示/違反報告)
パオーン - 続きがきになる。なんでこんないいとこで止まってるの！頑張ってくださいね！！ (2019年8月13日 16時) (レス) id: 89a24efd2c (このIDを非表示/違反報告)
亜緒(プロフ) - ヨルさん» このお話を好きだと言ってくださってありがとうございます。今更な感じもしますが、更新再開しようと思っていますので、よかったら読んでやってください……長い期間放置していてすみませんでした……。 (2019年8月4日 21時) (レス) id: 8ada1824cc (このIDを非表示/違反報告)
ヨル - このお話好きなので、何度か読み返させていただいているのですが…もう更新は無いのですかね？？ぜひ続きか読みたいと思っています。 (2018年11月29日 8時) (レス) id: 3ffb832df0 (このIDを非表示/違反報告)
亜緒(プロフ) - ななさん» わぁぁぁああありがとうございます,,,！そう言ってもらえるととても嬉しいです！！がんばって回復しますね！( ；∀；) (2017年12月27日 9時) (レス) id: 411e660ce7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：亜緒 | 作成日時：2017年7月8日 19時
