すしらーめん《りく》 隣の部屋のあの人

他愛のない話と、しばしの我慢。 ページ37

ああそうだ、とりく君が手に持っていたりんご飴を手渡す。
「Aさんの言った通りおじさん暇そうにしてたんで、買って来ちゃいました笑」

りんご飴を渡されて、その綺麗な赤を眺める。
驚いたような、嬉しいような。そんな気持ちで。
「Aさん、りんご飴楽しそーに嬉しそーに食べてたから……ほら、夏祭りのときに。」
「そうだ、初めてのりんご飴‥笑」

夏祭りの日のはしゃいだ私が思い出される。
冷静になってみると、ちょっぴりイタい大人だったかも。
でもりく君は気にしてないみたいにその優しい声で話すから、
なんだかそれがむず痒くて、りんご飴をりく君側の手に持ち替えた。
少しでも、あつい頰がこの赤色にごまかされてくれればいい。

りく君もお祭りのことを思い出していたのか、少しの間沈黙があって、
わたしは思い出したように、口を開いた。
ここ最近、考えていたこと。

「りく君、4月で受験生だね。」
「あぁ……そうですねえ笑」
「頑張ってね」
会えないのは、我慢するからさ。
あぁ、またかわいい台詞は喉から先へは行かない。
言いたかった言葉は、応援してるよ、とか無難な言葉に変わって音になっていく。

「どっか行く暇なんてなくても、友達は友達ですよ？？」
ふにゃって、またいつもの笑みでそう言うりく君は、新年の光と相まって眩しくて、
「ありがとう、」とだけ言って目をそらした。

…………………………………………………キリトリセン………………………………………………
二編にしますとか言っておきながらだらだら続けちゃってすみません！！
そして今回短い……ブランク明けの亜緒には2000字がとっても難しくてですね……
ほんとすみません……
あと、夏祭りのおはなし１つ誤字訂正したのでnewになってますが気にしないでください〜〜
もっと文章練習します(￣^￣)ゞ

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