空色の友人を想う。 ページ35
大晦日とか年越しとか、一人暮らしの大学生には案外あっけのないもので。
古いレコードを引っ張り出して懐かしい音楽を聴きながらうとうとしていたら、目が覚めた時には1月1日の朝だった。
おせちも門松もないけど、空が冬特有の澄んだ水色をしていて気分がいい。
去年は色々あったなあ、と部屋を見回す。
目に入るのは、吊るしたままの風鈴。場違いながら、ちょっと美しい。
始めてできた、まともに出かけられる友達。
今まで感じたモヤモヤは置いておいても、嬉しいことだ。友達……
『おれのおひめさまは、Aさんですからね』
ふと、あの日のりくくんがよぎる。
あなた「おひめさま、ってなんだよ…。」
カーテンを開いたままの姿勢で、か細く呟く。
何度も自分に言い聞かせてきたし、実感してきた。
私とりくくんの間にある距離を。
それを埋めることはきっとずっとできないし、
もし偶然とか奇跡の類が起きてその距離が埋まったとしたら。
それは、あの出会い方を否定することにならないだろうか。
……いけない。
またうじうじ考え出して、学祭の後みたいに、顔を合わせづらくなるのはもうごめんだ。
せっかく元旦だし、近所の神社に初詣にでも出かけようか、とクローゼットを開けた。
元旦だというのにたいして人のいない地元の神社。
さっとすませて帰るのにはちょうどいい。
手を合わせて、あ、お祈りとかしちゃいけないんだっけと思い出す。
あれ?じゃあ何するのが正しいんだ…?なんて行き先を見失って、
ああ、そろそろりくくんに会えたらいいな、と微笑んで顔を上げる。
きちんと参拝して帰ろうとした時、絵馬が目に入った。
せっかくだし、と巫女のお姉さんから絵馬を受け取って考える。
やっぱり浮かぶのはりくくんのこと。
…ちょっと濁せば、大丈夫だよね。
【友人が、大成しますように。A】
…さて、タバコでも補充して帰ろうかな。
なんだか晴れ晴れした気分だ。
上を向けば、空一面のりく君色。
ふふ、と笑みをこぼして早足でマンションを目指した。
…………………...........................………キリトリセン….........................................................
修正というか納得いかなかったので二編にして内容も変わりました!
なかなか昔のようにはかけないですね、頑張ります…
あ.昔のやつちょいちょい言葉のニュアンス修正したりしてます。
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亜緒(プロフ) - パオーンさん» コメントありがとうございます!!!!復帰後初のコメントに暖かいお言葉、嬉しいです……時間があれば、短めのを月曜前に更新できたらなと考えておりますので、よかったら読んでやってください!頑張ります!(2000字って難しいですね!!!!) (2019年8月14日 13時) (レス) id: d418bc9a04 (このIDを非表示/違反報告)
パオーン - 続きがきになる。なんでこんないいとこで止まってるの!頑張ってくださいね!! (2019年8月13日 16時) (レス) id: 89a24efd2c (このIDを非表示/違反報告)
亜緒(プロフ) - ヨルさん» このお話を好きだと言ってくださってありがとうございます。今更な感じもしますが、更新再開しようと思っていますので、よかったら読んでやってください……長い期間放置していてすみませんでした……。 (2019年8月4日 21時) (レス) id: 8ada1824cc (このIDを非表示/違反報告)
ヨル - このお話好きなので、何度か読み返させていただいているのですが…もう更新は無いのですかね??ぜひ続きか読みたいと思っています。 (2018年11月29日 8時) (レス) id: 3ffb832df0 (このIDを非表示/違反報告)
亜緒(プロフ) - ななさん» わぁぁぁああありがとうございます,,,!そう言ってもらえるととても嬉しいです!!がんばって回復しますね!( ;∀;) (2017年12月27日 9時) (レス) id: 411e660ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜緒 | 作成日時:2017年7月8日 19時