冬に咲く花。 ページ33
大学でモタモタしていたらもうすっかり暗くなっていた。
やはり冬は日が短いな、と実感する。
寒い。とりあえず寒い。
りく君、流石にもう部屋の中だよね……。
っと、いけないいけない。
また考えてしまっていた。
なんとなく、悔しい気分だ。
マンションの階段前、コンクリートの駐車場に誰かがいるのが見えた。
……一瞬で背筋が凍る。
ど、泥棒？幽霊？それともなんかべつの……？
「あ、」
あなた「わぁぁぁぁぁぁぁぁああ！！！！！！！！！！！！！」
「わ、なんですか…！？」
あなた「て、りく君？」
りく「そうですよー、なんだとおもったんですか笑笑」
あなた「い、いやーまぁ、ちょっとね〜？」
いい感じに人が聞かれたくないことを聞くな、りく君……
さりげなくごまかすために質問で返す。
あなた「りく君こそ、なにやってんの？もう結構遅いよ？」
りく「あ、いや。動画の実験用に買った道具の整理をしてたら
時間かかっちゃって……。」
あなた「あらら。あれ？でも見たところもう片付いてない？」
りく「はいー、こいつだけ、処分に困っちゃって。」
こいつ、と軽く持ち上げたのは夏によく見る花火セット。
あなた「なるほど、それは困るね」
りく「つくかどうか試そうか迷ったのですけど…
さすがにやめといたほうがいいかなって」
あなた「んー、ちょっと試すくらいなら平気じゃない？
一応、ここの裏なら花火okだし？」
りく「そうなんですか！じゃあAさんもやりましょう！！」
あなた「おぉ〜、いいねぇ、冬の花火！」
りく「じゃあ早速行きましょ〜！」
あなた「おー！！」
と、裏に回ったはいいものの、
りく「……やっぱ湿気っちゃってますかね……」
あなた「まっ、まだ一本しか試してないし！！大丈夫だよ！！！」
りく「じゃあつけますよ？」
あなた「いいよ…。」
私が貸したライターの火が、花火に移る。
季節外れの手持ち花火は、シュボッという音とともに点火した。
１つから何個も点火して、私たちはそれぞれ両手に2本ずつ花火を持った。
冬の、澄んで、キーンと寒い夜の中に、色が散らばる。
花火のシューという音に紛れてりく君が口を開く。
りく「Aさんが今日遅く帰ってきてくれて良かった笑笑」
それに答えるように、私は言う。
あなた「りく君が材料整理しててよかった笑笑」
りく「また、約束してもいいですか？」
あなた「？ もちろんいいよ」
りく「今度は、ちゃんと夏にやりましょうね」
冬に咲く花は美しかった。
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亜緒(プロフ) - パオーンさん» コメントありがとうございます!!!!復帰後初のコメントに暖かいお言葉、嬉しいです……時間があれば、短めのを月曜前に更新できたらなと考えておりますので、よかったら読んでやってください！頑張ります！(2000字って難しいですね!!!!) (2019年8月14日 13時) (
レス) id: d418bc9a04 (このIDを非表示/違反報告)
パオーン - 続きがきになる。なんでこんないいとこで止まってるの！頑張ってくださいね！！ (2019年8月13日 16時) (レス) id: 89a24efd2c (このIDを非表示/違反報告)
亜緒(プロフ) - ヨルさん» このお話を好きだと言ってくださってありがとうございます。今更な感じもしますが、更新再開しようと思っていますので、よかったら読んでやってください……長い期間放置していてすみませんでした……。 (2019年8月4日 21時) (レス) id: 8ada1824cc (このIDを非表示/違反報告)
ヨル - このお話好きなので、何度か読み返させていただいているのですが…もう更新は無いのですかね？？ぜひ続きか読みたいと思っています。 (2018年11月29日 8時) (レス) id: 3ffb832df0 (このIDを非表示/違反報告)
亜緒(プロフ) - ななさん» わぁぁぁああありがとうございます,,,！そう言ってもらえるととても嬉しいです！！がんばって回復しますね！( ；∀；) (2017年12月27日 9時) (レス) id: 411e660ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜緒 | 作成日時：2017年7月8日 19時
