すしらーめん《りく》 隣の部屋のあの人

花火と、二人。 ページ14

あのあと私達はたこ焼きやら焼きそばやらお祭りらしい食べ物(りく君のアドバイスにより笑)
を買い込んで、少し標高の高い神社の階段まできた。
これから始まる花火のためだ。
最近花火よく見るなぁ、と少し微笑んだ。

りく「また花火ですね笑笑」
あなた「そうだね笑笑」

二人で笑って、なんとなく花火が始まる前の藍色の空を見上げる。
空が丸く広がっているのがよくわかる、とても綺麗な空。

りく「夜空見るの、久々です」
あなた「花火は見るのにね笑
私も久しぶりだ笑笑」
りく「そろそろですかね」

少しの、沈黙。
花火か上がるのを待つ間、さっき買ってきた林檎飴を開けた。

花火があがる。
りく君が少し近づいたのがわかった。
りく「俺、花火、好きです。」
花火が咲く合間にりく君がいった。
あなた「ん?」
りく「Aさんと、友達になれたから。」

一瞬考えて意味を理解する。
あの日も、夜空を彩ったのは花火だったから。
あの日マンションの窓から花火を眺めなかったら、りく君とも、ただのお隣さんだったかもしれない。
そう考えると、すごい奇跡だ。

花火に照らされて笑うりく君はとてもきれいで、なんだか照れくさかった。

あなた「本当に、ありがとう。りく君。」
りく「あの…」
あなた「どうしたの？」
りく「いや、やっぱ…何でもないです。」

言いよどんだりく君の語尾を、花火が掻き消していく。

あなた「そっか。」

少しもどかしい空気が流れて、また花火の音がなって、りく君の手が、私の手を包んだ。
突然で、ほんの一瞬のことだった。

顔が熱い。きっと耳まで赤いだろう。

二人の距離はさっきから一センチも変わってないのに、
こんなに、近かったっけ。

さっきまで普通に聞いていた花火の音なのに、
こんなに、心臓まで響く音だったっけ。

りく君のほうを見ることもせず、空だけ眺め固まった私。
そのちょっとあと。
りく君が
りく「なーんて笑」
と、笑った。

魔法が溶けたように[普段通り]に戻っていって、力が抜けた。
あなた「は……もう…ばか………笑」
りく「これで二勝二敗。引き分けですね笑笑」

そういったりく君は耳が赤い気がした。

………………………キリトリセン………………………
もうなんか…ヤバいです。
126hitとかいくわお気に入り22人とか評価7票とか…感謝しかないです……

本当にありがとうございまあああああす!!

街灯の灯り→←水に朱、泳ぐ。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す