ここは何処なんだろうね? 【飴宮普】 ページ16
「……えぇ〜……」
目の前の光景を目にして、僕は思わず困惑の声をもらした。
でもしょうがないと思う。逆に、他の人だったら思いっきりパニックになっていると思うから。
ペチペチと頬を叩いたり、つねったりしてみる。痛い。普通に痛い。
と、いう事は…。
「夢じゃ、ないのかぁ〜」
はぁ、とため息をついて、暗がりの街を当てもなく歩きだした。
やぁ皆、初めまして。僕の名前は飴宮普。しがない小説書きだよ。
自室で仮眠をとっていたはずなのに…なんでこんな真夜中の街にいるんだろう。まぁ考えても答えは見つからないよね〜。
「…アンタ、迷い込んだんか」
突如後ろから声がかけられた。
振り向くと、そこには腰がだいぶ曲がっている老婆。
「…なぁに、おばあさん。迷い込んだって、どういうこと〜?」
鋭い瞳で見つめられることに少し怯みながらも、聞き返す。
このおばあさんは何か知ってるみたいだし。
「そのままの意味だ。この町は怪夜町。なにをしてもいい街…つまり無法地帯さね。
そして、物書きが迷い込む町さ。
お前さんも物書きだろう?だからまよいこんだんだ」
……小説家が迷い込む町ってことか。
成程ね〜……。
「すっごく、面白そう」
そんな言葉が、勝手に口から出た。
僕の言った言葉を聞いたおばあさんは、少し驚いたように目を見開く。
「……アンタ、変わっとるな……。
面白い、じゃあアンタに良い事を教えてやろう」
にやりと笑ったおばあさんは、僕に一枚の紙を渡してきた。
「……これは?」
「地図さ。
お前みたいな迷い込んだ物書きは、地図に記してある屋敷に行くといいんだ。逆に、行かないと危険だぞ」
「…ありがと〜。行ってみるよ」
お礼をいったん言ってから、おばあさんに背を向けて地図に記してある方向へと歩き出す。
「……あ、ああ、それとな」
「なに〜?」
おばあさんは振り返らずに僕に言った。
「この町に迷い込んだ物書きは……何か一つ能力を授かる。
あんたの能力は、”心を読む能力”だ」
「心を読む能力…?」
でもおばあさんの心なんか読めないんだけど。
そう言おうとしたが、おばあさんは「じゃあな」と言って一瞬で消え去ってしまった。
……なんか不思議な人だったなぁ。
心の中でもう一度ありがとうと言って、僕は今度こそ屋敷に向かって歩き出した。
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北斗(プロフ) - 7の方のursです!一話の方行進しました!【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/naitomea12/】 (2019年10月5日 16時) (レス) id: aafc5aee29 (このIDを非表示/違反報告)
ドルバロム(プロフ) - 北斗さん» ありがとうございます。 (2019年10月5日 16時) (レス) id: a1570f4cef (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 北斗さん» 了解しました!! (2019年10月5日 16時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
ドルバロム(プロフ) - 更新終わりました。 (2019年10月5日 16時) (レス) id: a1570f4cef (このIDを非表示/違反報告)
北斗(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» こっちの編集が終わったらURSはるから来てね〜 (2019年10月5日 16時) (レス) id: aafc5aee29 (このIDを非表示/違反報告)
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