ななつかみ ページ16
「きらい！ だいっきらい！」
なんであんな事を言ったのか、そう聞くと、見るからにしょんぼりとした顔をする。悪気は無かったのだらう。でもダメなものはダメだ。
「だって、かわってって、言ったのに」
舌足らずな発音で、時折しゃくりあげながら話す。状況は何となくわかった。公園の遊具を変わって貰えなかったのだろう。それで怒鳴ってしまった。
「ごめんねしに行こっか？」
無駄とわかって声をかける。もしかしたら仲直りの糸口くらいは見つかるかも知れない。
「やだ！ ぼく悪くないもん！」
言うと思ったぜ、そのセリフ。泣きながら首を横に振る。子供は顔が大きいので、頭が飛んでいかないか心配になるスピードだ。
こうなるともう頑固でたまらない。地べたに座り込み、地団駄を踏み始めた。砂まみれになっていく服を見て、洗濯の大変さを予感した。
「謝ろうね、仲直りしたいでしょ？」
もはや言葉での返事も無い。ひたすらに泣きじゃくる時間の始まりだ。深い深いため息をつく。
と、頬に違和感を感じた。思わず上を見ると、どんよりとした灰色の雲が広がっている。不味い。
「ほら、雨降って来ちゃったよ！ 今日は帰って、また明日ごめんねするんだよ！」
慌てて手を取り、帰路を急かす。確か洗濯物を干しっぱなしだ。もう一度洗うなんて面倒なことはしたくない。
そう言えば、この子は何の遊具で遊びたかったのだろうか。ブランコも、シーソーも、ジャングルジムも苦手なこの子が。そうまでして遊びたかった遊具とはなんだろうか。
確か、あの公園にあるのは───
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夕立/拗ねる/平行線
頭を抱える親の話。お母さんでも、お父さんでも、大変なんだろうと日々思います。
ちなみに子供が遊びたかったのは平行棒です。
理由は、「平行線の平行棒」って何か語呂が良いから。(どうでもいい)
次回！
「なんか仲良し」「昨日のはなんだったんだ」
の2本でお送りします、お楽しみに！(続きません)
続く
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スピカ(プロフ) - あの作品…とても良いとは思っていたけどこんな風に小説化するとは…語彙力高い！ (2019年11月12日 10時) (
レス) id: 107a705257 (このIDを非表示/違反報告)
冴(プロフ) - なんか……素敵！どこがいいとは言えないです語彙力よ来い。面白いので頑張って下さい！ (2019年10月27日 18時) (レス) id: cd880b444a (このIDを非表示/違反報告)
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