Recurrence fish【浜野海士】 (ページ2)

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．

「ありがとうございました」

店員さんと電子音に見送られ私たちは
5分程滞在していたコンビニを出た。

彼の手には抹茶アイスと棒に刺された
チョコミント味のアイスの入った袋。

私たちの足は自然にいつもの場所へ向かう。

「よし、食べようぜ～」

「わーい」

海士行きつけの
釣り堀の近くにある休憩小屋。

ここが二人のいつもの場所。

本当は釣り目的以外での入室はお断りだが
彼が常連さんだという事で

有難いことに利用できるのだ。
(私はその常連さんの幼馴染という事で)

夏は大きな扇風機の前で涼み
冬は灯油ストーブの前で暖を取りに。

「はいスプーン」

「さんきゅー」

店員さんが気を遣って
プラスチックのスプーンを二つ入れてくれた。

カップルだと思ったのだろう。

「(カップルだったらどんなにいいか、)」

私と彼の関係はただの幼馴染だ。

それ以下でもそれ以上でもない。

はっきり言って私は彼が好きだ。

いつからだと言われたら
答えられないけれど。

多分物心がついた時からずっとだ。

「一口あげる～」

「ありがと」

棒突きのチョコミントアイスを
ずいっ、と私の前に差し出す。

そのアイスには既に齧られた跡があって。

私はそこにがぶりと噛み付く。

「(間接キス、)」

けれど彼が何とも思っていないことを
私は知っている。

意識しているのは私だけだということも。