正夢～現実世界での俺ら～ (ページ10)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:18,245 hit

☆ ページ10

次の日から俺は極力大倉と目を合わせないようにした。

ごめんな、昨日体調が急に悪なって。と、笑いながら話しかければええのに。

普通に話しかけたい気持ちを必至に抑える。

いつか大倉と友達として笑いあえる日が来るまでは、この状態を貫くしかない。

「あれ～、今日大倉は？」

「え、大倉と一緒やないなんて珍しいね。」

いろんなクラスメイトから話しかけられる。

それは向こうも同じようで、困った顔をしながらちらちらとこちらを窺っているのが見て取れた。

昼飯の時間になって、急いで教室から出る。

いつもは屋上で大倉と一緒に食べるが、今日からは違う。

一人で保健室に行き、黙々と飯を食った。

「、、、まず。」

二人なら美味しく感じるはずのご飯も今日は全然美味しくない。

休み時間が終わり、やっと放課後。

「...帰ろ。」

長い一日やった。

「亮ちゃん。」

鞄を背負って帰ろうとすると、後ろから聞きなれた声。

俺は足を速め教室を出ようとする。

「なぁ、何で無視するん。」

怒気を含んだ声が聞こえて手首を捉まれ、俺は隣の空き教室に引っ張られていった。