今のキスはカウントしない！

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信成さんは私と羽生が付き合ってること知ってるのかな…
知っててもおかしくはないけれど羽生は佳菜子にしか言ってない、って言ってたよね？




｢Aちゃんはゆづのこと好きなん〜？お似合いやと思うけどな〜！｣





ええ男やで〜ゆづ！っと信成さんが進めてくる。
…あ、この反応的に付き合ってること知らないんだな





｢羽生と私って…お似合い？｣




｢お似合いやわ〜！｣




お似合いかぁ…
お世辞でもそう言われるとちょっと照れる。
私は恥ずかしくなって信成さんから視線をそらし、窓の方を見た。
大阪の水族館が綺麗にライトアップされてた




カップルが仲良く手を繋いで歩いてる。
それを見て、あぁ…自分たちはこういうことできないな…って思うと少し残念




別にみんなの前でイチャイチャしたい訳じゃないけど、やっぱり少し羨ましいなっとは思う




｢Aちゃんとゆづが付き合ったらええのにな〜｣




たまらんな〜！っと1人で楽しそうに話す信成さん。
思わず｢付き合ってますよ｣って言っちゃいたくなるぐらい、いい反応してる





｢ゆづのこと、好きなん？｣




そうやってすぐ茶化すんだからっと注意したくなったけどさっきまでの笑いは嘘のように真面目に運転しながらそう尋ねてくるもんだから
あぁ…これ真剣に質問されてるんだなってすぐわかった







｢私は羽生のこと好き｣






私は包み隠すことなく、ストレートに質問に答えた。
不思議と思ったほど恥ずかしくはなかった。



｢………え！？ちょっ！？｣





さっきまでの冷静さはどこへ行ったのか信成さんは目を見開いて、でも口元はすっごくニヤケながらおどおどしている。




｢羽生は私の憧れの人でもあって、大好きで大事な人だよ｣




信成さんの目を見て言うと何故か信成さんは泣きそうになって｢よかった…ゆづよかったなぁ…｣っと何度もつぶやいた。




そんな恋愛話をしているとあっという間にバスターミナルに付いた。
奇跡的にも少し余裕を持って到着した。




｢ありがとう、信成さん！助かった｣




｢僕もええ話聞けてよかったわ〜！またアイスショーとかで会おうね！｣






またね！っと大きく手を振る信成さんに私も笑顔で手を振った






そして私はすぐにバスに乗りこんだ
私は席について携帯を開けて羽生の連絡先を引っ張り出した




“帰ったら会いたい”



その１文だけ送信した






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